ロボットは人間の肉体労働の74%をすでに実行可能だが「人間より安く働ける仕事」に限るとわずか0.3%という調査結果

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AIの登場で頭脳労働がAIに取って代わられるというのは何となく想像できますが、肉体労働はまだまだ人間に任せられるところが多いように思えます。Anthropicの調査では、実は既にロボットが肉体労働のほとんどを担うことが可能だと判明したそうです。

Can we predict the jobs robots will do? \ Anthropic

https://www.anthropic.com/research/what-work-can-robots-do 代表的な「ロボットによる肉体労働」の1つが倉庫作業です。Amazonなどの大企業が大規模にロボットを導入し、効率的な運搬と仕分け作業を実現しています。

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タクシー運転も肉体労働の1つです。アメリカなどでは既に無人のタクシーが走っており、東京でも間もなくその姿が見られる予定です。

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Anthropicの研究チームは、ロボットを「周囲を感知して動作する自律型の物理的機械」と定義し、現在のロボットが既存の仕事をどれくらいこなせるかを調査しました。研究チームは約900の職業と約19000件のタスクを概説したデータベースをAIの「Claude」に読み込ませ、Claudeに「現在のロボットはこのタスクを実行可能か」と問いかけました。Claudeの応答に基づいて、研究チームはタスクを以下の4つに分類しました。 ・E0:ロボットはタスクを実行できない。 ・E1:工場の組立ラインのような、ロボット専用に構築された作業環境でタスクを実行できる。 ・E2:物流倉庫のような、決まった形の人間の作業施設でタスクを実行できる。 ・E3:市街地の道路のような、複雑な形の環境でタスクを実行できる。 例えば、髪を染めたり病気の人に応急処置を施したりなど、慎重な作業が求められる場所でのタスクはE0に分類されます。E1はベルトコンベアを流れてくる調理済みの食事を梱包するといったタスク、E2は病院で患者や看護ステーションに薬を届けるといったタスク、E3は自動運転タクシーや自動運転トラクターなどが当てはまります。 全労働時間を基準にすると、全ての職業タスクの54%を認知・対人タスクが占め、残る46%が肉体労働に当たります。全タスクに占める割合では、現在のロボットでは実行できないE0が約12%、ロボット専用に構築された環境なら実行できるE1が約23%、決まった構造を持つ人間の作業環境で実行できるE2が約10%、構造化されていない環境でも実行できるE3が約1%でした。E1~E3のいずれかに該当するタスクをロボットが実行可能なものとして数えると全労働の34%、肉体労働だけで考えると74%が何らかの状況ではロボットによって実行可能だとAnthropicは結論づけています。

ただ、理論的には実行可能でも、コスト等の面からロボットの導入が現実的ではないタスクばかりだといいます。Anthropicはコストを計算するため、Claudeに「ロボットは人間と同じ生産量をどれほどのコストで実現できるか」と問いかけました。 これによって得られた結果が以下の通り。例えば荷造り作業員であれば、アメリカにおける従事者は合計56万人で、年収中央値は4万9000ドル(約770万円)です。ただ、このタスクは97%がロボットによって代行可能だと考えられていて、全てロボットが代行した場合の年間コストは4万5400ドル(約720万円)となり、人間を雇うより安くつくことが分かります。一方でタクシー運転手やお皿洗いといった仕事もそれぞれロボットで代行可能ですが、コストの面から人間を雇う方がお得です。お皿洗いに至っては100%がロボットで代行できますが、ロボットのコストは人間の3倍以上です。

これらを踏まえると、コスト効率でロボットが人間を上回るタスクは全体の0.3%しかないそうです。 市場のデータによると、ロボットの価格は1990年代以降、年間約3%ずつ下落しているとのこと。仮にこの割合のままロボットの価格が下がったとしても、コスト効率でロボットが人間を上回るには長い時間がかかり、全タスクの10%に到達するだけでも約40年かかる計算になるそうです。

ただ、ロボット技術は日々進化しているため、いつの日か急速に発展してコストが大幅に下がることがあるかもしれません。一方で人間よりロボットが安くなったからといってすぐに人間が不要になるわけではなく、ある程度生産性を向上させるためにはロボットが人間よりはるかに安くなるまで待たなければならないといいます。 なお、LLM(大規模言語モデル)によって代行可能なタスク(青)と、LLMとロボットによって代行可能なタスク(赤)を示すと以下の通りとなります。現状はまだ人間が必要とされるタスクでも、ロボットが進化するにつれて人間が不要になってしまうかもしれません。

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