川崎重工の「乗用の四足歩行ロボット」がさらに進化!水素駆動で荒野を駆け抜ける

この画像を大きなサイズで見る川崎重工プレスリリース

 みんなは覚えているだろうか?川崎重工が2022年に人が乗れるヤギ型の四足歩行ロボット「RHP Bex」を発表していたことを。

 あれから3年、今度は馬型へと進化し、乗馬感覚で共に大地を駆け抜けてくれるパートナーとなってくれそうだ。その名は「CORLEO(コルレオ)」。

 2025年4月13日から開催される大阪・関西万博で展示される予定だ。どれどれ、その全貌に迫ってみよう。

 川崎重工といえば、「ニンジャ」をはじめとする同社子会社が製造するバイクがパッと思い浮かぶが、コルレオは2輪ではなく4脚で走行する新感覚オフロードモビリティだ。つまりは人が乗って移動する四足歩行ロボットなのである。

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 未来の乗り物らしく燃料は「水素」だ。前足に水素エンジンが搭載されており、これで発電することで動力とする。

 そして当然ながら、コルレオにはバイクの技術も活用されている。

 たとえば、バイクの車輪とフレームを連結するパーツを「スイングアーム」というが、コルレオはこの機構で前足と後ろ足を独立して上下させ、移動による衝撃を吸収する。

 このスイングアーム機構は、ライダーの姿勢の維持にも役立つという。このことはコルレオを乗りこなす上で、非常に大切なことだと思われる。

 というのも、コルレオの操縦は重心の移動によって行われるからだ。

 バイクのようにハンドルのスロットルをひねったり、曲げたりといった操作ではない。まさに乗馬感覚なのである。

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 人類は車輪という偉大な発明をしたというのに、なぜ川崎重工はあえて4脚の移動方式を採用したのだろう?

 その理由はタイヤでは走行が難しい地形を疾走するためだ。

 その走行性能は、コルレオが野生動物のように山野を駆け回る動画を見れば一発でわかる。

 岩だらけの山岳地帯や、雪深い雪原地帯、あるいは川の中など、オフロードバイクであっても相当な技量がなければ走れない、あるいはそもそも走行不能だろう地形を、颯爽と走り抜けている。

 映像の中には数メートルはあるだろう崖をジャンプ一番で飛び越えるシーンすらある。

 コルレオは2050年をイメージしたコンセプトモデルなので、現時点でこうした走行性能がどのレベルまで実現されているのかは不明だ。

 とはいえ、川崎重工はヤギ型ロボットを開発するなど、以前から4足歩行のモビリティに熱心に取り組んでいる。

 もしもその努力が実を結んで、コルレオの走破性能が実現するならば、本能の赴くままに自然の中を駆け巡るのはさぞかし気持ちイイことだろう。きっとヒャッハーと叫びたくなる。

 それは川崎重工がまさに狙ったところで、コルレオのテーマは「移動本能」なのだそう。

 つまり「ひとは『移動することによって幸せを感じる』という仕組みが遺伝子レベルで組み込まれている」というコンセプトの下、それを解き放つために開発されたのがコルレオなのだ。

 そんなコルレオは大阪・関西万博の「フューチャーライフ万博・未来の都市」パビリオンで展示される予定だ。

 みんなも眠ったままになっている移動本能を解放したいと思ったら、会場までコルレオに会いに行ってみるといいだろう。そこには未来のモビリティがある。

References: Khi.co.jp / Khi.co.jp

本記事は、海外の記事を参考に、日本の読者向けに重要な情報を翻訳・再構成しています。

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