一帯一路の債務返済、25年は最貧国負担が過去最高=シンクタンク
シドニーに拠点を置くシンクタンク、ローウィー研究所が26日に発表した報告によると、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」のピークだった10年前に世界の最貧国に供与した債務の返済額が2025年に過去最高となるとみられている。写真は人民元紙幣と中国旗のイメージ。2017年5月撮影(2025年 ロイター/Thomas White)
[シドニー 26日 ロイター] - シドニーに拠点を置くシンクタンク、ローウィー研究所が26日に発表した報告によると、中国が巨大経済圏構想「一帯一路」のピークだった10年前に世界の最貧国に供与した債務の返済額が2025年に過去最高となるとみられている。
一帯一路は習近平国家主席が13年に開始。アジア、欧州、アフリカを結ぶインフラ整備に数十億ドルを融資するとともに、貿易と影響力の拡大も図ってきた。
25年に開発途上国が中国に返済する債務350億ドルのうち、220億ドルが世界で最も貧しく脆弱な75カ国の負担となり、医療や教育への支出が脅かされているという。
報告を作成したライリー・デューク氏は、「今後2030年まで開発途上国にとって中国は銀行というより債権回収業者になるだろう」と述べた。
報告によると、返済額は開発途上54カ国でパリクラブ(債権国会議)への債務総額を上回る見込み。
また「中国が債務回収の役割に転じる一方、西側諸国の政府は依然として国内問題に注力しており、援助も多国間支援も減少している」と指摘。開発の停滞と不安定化のリスクを警告した。
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