【図解あり】沖縄道の渋滞、一般道にも波及 NEXCO「ファスナー合流を」

沖縄自動車道の渋滞=2026年1月
この記事を書いた人 知念 征尚

 沖縄自動車道の工事に伴い、ラッシュ時に中北部で激しい渋滞が続いている。混雑を回避しようと車が流入した周辺の一般道にも混雑が発生。住民生活への影響も生じ、金武町議会は工事時期や規制の見直しなどを求める決議を可決した。だが、要請に応えられる見直しは難しい状況だという。規制は4月末まで続く。

 自動車道を管理する西日本高速道路(NEXCO西日本)は本年度、渋滞時に限り「ファスナー合流」という合流方法の実践を呼びかけている。

 渋滞の起点となっているのは、金武町の屋嘉インターチェンジ(IC)付近にある「屋嘉第二高架橋」の那覇向け車線の工事だ。高架橋には自動車道の本線が通る。

床版の架け替え工事が行われている屋嘉第二高架橋(西日本高速道路提供)

 車両が走行する「床版」と呼ばれる部分が老朽化し、架け替える大規模なもので、工事箇所を挟む付近3・4キロで、終日の対面通行規制を実施中。1月6日から4月28日までを予定する。

 石川~許田間は沖縄道で最も早い1975年に開通した。当時の建設ラッシュで、塩分を多く含む海砂が大量に使われた時期と重なることもあり、劣化が進んでいるという。

 ネクスコ西日本によると、比較的交通量が多い区間で工事・規制を行っていることが激しい渋滞の要因。同じ区間では23年にも名護向け車線で工事・規制を行った。今回はコロナ禍の落ち着きで交通量が増加していることも渋滞の背景にある。

 規制の影響で、自動車道では平均3~4キロの渋滞が発生。金武町を走る国道329号や、恩納村とを結ぶ県道104号を経由し、恩納側の国道58号に抜けるルートにも車両が流入し、一般道で「通常15分程度で通行できる区間が1時間以上要する」(金武町議会決議)状況だ。

 決議は(1)工期短縮(2)対面通行規制を伴わない工法の検討(3)渋滞が最大限緩和される工事の時期や時間帯、規制の見直し―の三つを求めた。

 ネクスコの担当者は(1)について「進捗(しんちょく)が早ければ4月28日までの予定日に限らず解除できる方向にしたいが、現時点では何日短縮するとはお答えできない」と説明した。

 (2)、(3)については2車線分の床版自体を取り換える工事となることから、夜間のみ規制への変更や対面通行を取りやめることはできないと説明する。

 工期についても、年末年始やゴールデンウイーク、梅雨や台風シーズンを避けて設定しているとして、変更は難しいとした。

 ネクスコ西日本は、渋滞していない時は早めの合流と適切な車間距離の維持を求める一方、渋滞時に利用者へ実施を呼びかけているのが、車線が減少する先頭付近で1台ずつ交互に合流する「ファスナー合流」の実践だ。

 通過可能な車線に早めに合流すると、長い車列ができ、もう片方の車線はガラガラになる。ネクスコは規制区間が始まるまでは両方の車線に詰めてもらい、通行できなくなる地点で合流することでスペースの効率的な使用につながると促している。

 早め合流をした側からすると、空き車線をすいすいと先に行く車両を恨めしくも見てしまう。担当者は「沖縄は規制区間が始まる前から早めに並ぶ傾向がある」としつつも「ファスナー合流で渋滞の長さを減らしたり、渋滞が緩和したりする効果が期待できる」と説明し、実践を呼びかけた。

 石川以北の床版の架け替え工事は2006年から続き、昨年度までに約8割で架け替えを終えた。工事は来年度以降もしばらく続く見通しで、ネクスコ西日本は「高速道路を安全、安心に通ってもらうためには工事が重要だ」として、理解を求めた。

(知念征尚)

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