限定200台のMSpRロードスター12Rが大人気! マツダファンフェスタ2025・初日の模様をお届けします
マツダファンフェスタは今年で5回めの開催となる。昨年は2日間で2万3000人が来場し、その半数がリピーターであるという。マツダファンにとっては、すっかりおなじみのイベントとなったようだ。
さて、今年のイベントの初日で話題となったのは、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(マツダスピリットレーシング・ロードスター)」の発売アナウンスだ。詳しくは別記事をご覧いただきたいが、マツダスピリットレーシング代表の前田育男氏、マツダスピリットレーシング・ロードスター主査の齋藤茂樹氏、商品戦略チームリーダーの齊藤圭介氏が登壇したトークショーで、その販売価格と販売方法が明らかにされた。
マツダスピリットレーシング・ロードスター12R トークショーには、マツダスピリットレーシング代表の前田育男氏が登場。ND型ロードスターを6台購入したというピストン西沢さんが司会を務めた。また、これまで筑波サーキットで開催されて過去35回の歴史をもち、最も長く続いている自動車のワンメイクレースとしてギネス世界記録に認定された「メディア対抗ロードスター耐久レース」をマツダファンフェスタで初開催するのもトピックだ。テクニカルな筑波サーキットから、約1.5kmのメインストレートをもつ富士スピードウェイに舞台が変わり、レース時間が4→3時間となったことがレース展開にどんな影響を与えるか、注目が集まる(この記事を書いている時点のはスタート前)。
今回のメディア対抗ロードスターレースの見どころはまだある。スーパー耐久において、メーカーの垣根を越えてともに戦う「S耐ワイガヤクラブ」も初参戦するのだ。ひとつのチームとなったマツダスピリットレーシング、トヨタガズーレーシング、ニスモ、ホンダ、スバルがどんなチームプレーを見せてくれるのだろうか。
メディア対抗ロードスター耐久レースに参戦する共挑S耐ワイガヤクラブ。 普段はライバル(!?)の5メーカーが一致団結。こんな光景が見られるのは、マツダファンフェスタの醍醐味だ。「マツダ787B&歴代レーシングカーデモラン」も見逃せない。787Bといえば、1991年のル・マン24時間レースで日本車初の総合優勝を果たした名車だ。その走行シーンに来場者の期待が募ったが、あいにくの小雨模様のため、残念ながら787Bはピットに収まったまま…。しかし、ミスター・ル・マンこと寺田陽次郎さんの手による暖機運転が行われ、4ローターが奏でる独特なエキゾーストノートに多くの来場者が耳を傾けた。デモランはてるてる坊主をかざしながら、明日(5日)に期待しよう!
注目度ナンバー1は、やはり787B。4ローターのエンジン音は、世界遺産に認定したい! 初公開となったKUDZUマツダDLM。1996年のル・マンで寺田陽次郎選手が駆り、見事にLMP2クラス優勝を飾ったマシンだ。マツダファンフェスタでユニークなのは、イベントの企画・運営をすべてマツダの社員が行っていることで、今回は300名が参加している。企画・運営メンバーは挙手制で選ばれており、ファンと楽しむ場を創出することに対する社員の高い意欲と、マツダの企業文化を強く反映したのがこのイベントなのだ。
そんなマツダの姿勢はユニークなコンテンツの数々にも現れている。ピットビルの屋上階では、「生産」「開発」「企画・デザイン」といったテーマに基づいて、クルマづくりの基本を学ぶことができるブースが軒を連ねている。その内容は、マツダらしくマニアックだ(笑)。
クルマづくりのあれこれを楽しく学ぶことができるブースが並ぶ。その一例として、「圧縮着火で火がつくエンジンの秘密」と題したブースをご紹介しよう。ここでは底に脱脂綿が入れられた細い筒が用意されており、その筒に棒を差し込んで勢いよく押し込むと、筒の中の温度が上がって脱脂綿に火が付く、というデモンストレーションを実演できる。ガソリンエンジンによる圧縮着火を世界で初めて実用化したマツダならでは、のコンテンツだ。
ほかにも8Cと13B、新旧ロータリーエンジンのサイドハウジングの重さ比べ(!)など、マニア心をくすぐりつつ、子どもも楽しめる工夫が凝らされたコンテンツが勢揃いだ。
圧縮着火の体験ブース。簡単な仕組みに見えるが、本当に火がつきます。 サイドハウジングの重さを比較している様子。そのほかにはアペックスシールの比較展示も!自動車業界は現在、アメリカ自動車関税などにより厳しい状況に直面しており、ファンからもマツダの将来を心配する声が寄せられているという。そんな厳しい環境下であってもマツダがイベントの継続を決断したのは、ファンとの絆を深め、ブランドへの共感を醸成することが、未来に向けて不可欠であるという強い意志の表れ、とも言えるだろう。
マツダファンはもちろんのこと、クルマ好きなら楽しめること必至のイベント。お時間がある方は、5日(日)にぜひ、足を運んでみてはいかがだろうか。
■マツダファンフェスタ2025公式サイト https://www.mazda.co.jp/experience/event/mff2025_fuji/