恐竜博物館人気で300万人が来ても宿泊率わずか4.6%…“泊まる場所ない問題”を抱えてきた勝山市にホテルが続々進出(FNNプライムオンライン)

県立恐竜博物館の2025年度の入館者数は過去最多となる129万人を記録した。勝山市全体の観光入り込み客数も、去年1年間で302万人と過去最高に達している。 ところが、市内に実際に宿泊した人は約13万8000人にとどまる。宿泊率に換算するとわずか4.6%で、県平均の12%を大きく下回る数字だ。観光客の大多数は恐竜博物館を訪れたその日のうちに勝山を離れてしまっている計算になる。 この“素通り”構造が長く続いてきた背景には、宿泊施設の不足がある。 しかし、近年、勝山市内への宿泊施設の進出が急加速している。 星野リゾートは、恐竜博物館がある長尾山総合公園の中でリゾートホテルを建設中だ。また、勝山温泉センター「水芭蕉」を市から譲渡されたサンフロンティアホテルマネジメントは敷地内にホテルを建設する予定だ。同社の会長は「恐竜博物館という130万人を誘引できる施設があると」と進出の理由を語る。 豊かな自然と、全国屈指の集客力を誇る恐竜博物館。この二つが重なる立地の魅力が、大手企業を動かしているのだ。

住宅建築などを手掛ける北海道の企業・アーキビジョン21が進出するのは、勝山市が宿泊施設の誘致を進めてきた道の駅・恐竜渓谷かつやまの隣接地。そこに、全国でもまだ珍しい「移動式木造建築物(ムービングハウス)」を使った宿泊施設を整備する。 ムービングハウスは、長さ約12メートル、幅約2.4メートルで設計・施工された木造の建築物だ。木造で作られている点が大きな特徴で、トレーラーに乗せて全国どこへでも移動できる。災害時には仮設住宅として活用できる。 同社の担当者は勝山への進出について、「これ以上ない立地条件。ここでいい成績が出せないわけがないと思っている」と自信を見せる。 実際の客室はどのようなものか。去年10月にオープンした、茨城県小美玉市にある「スマモ・イン・小美玉」では、勝山に整備される客室と同じタイプの45室を備えている。 縦型の細長い部屋だが、見た目以上に広々としており、木の香りが漂う。中にはベッドが4つ、トイレやシャワー、充実した暖房設備が整い、広々としたキッチンも備えている。 家族の長期滞在を想定した設計だ。4人部屋の価格は1人1泊3500円からと、リーズナブルな価格帯に設定されている。担当者は「1日でも長く勝山に滞在し楽しんでもらえれば」と話す。 この4人部屋の建物52棟が、今年11月にもトレーラーで順次、勝山市に運び込まれ、来年4月のオープンを予定している。


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勝山市もこの動きに期待を寄せている。市の担当者は「ファミリー層にも受け入れられる形式なので、恐竜博物館の客層とマッチし非常に親和性があると考えている」と語る。 「宿泊客数が増えれば観光消費額も増加するので、地域経済の活性化にもつながる」と期待する。 新たな宿泊施設の開業が相次ぐことで、これまで320室ほどだった市内の客室数は550室ほどに増える見通しだ。 宿泊施設の不足は解決に向かう一方、課題も残る。北陸新幹線やえちぜん鉄道で勝山を訪れた観光客のその先の足、いわゆる二次交通の問題だ。さらに飲食店の少なさも指摘されている。 3年後には中部縦貫自動車道の全線開通も控えており、アクセス環境はさらに向上する見込みの勝山市。宿泊施設の充実はあくまでも出発点に過ぎない。観光客にいかに長く滞在してもらい、地域経済を活性化させるか。これからの本当の正念場となりそうだ。

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