“171cmのCB”が堂々君臨! 今季初起用で川崎F封じた京都DF宮本優太「2日前にチョウさんから電話をいただいて…」

試合後、DF鈴木義宜と抱き合うDF宮本優太

[3.1 J1第4節 川崎F 0-1 京都 U等々力]

 身長差を粘り強さで上回る対人ディフェンスは今季も健在だった。開幕節・岡山戦(●0-2)以来3試合ぶりに先発起用された京都サンガF.C.のDF宮本優太は、今季初めて昨季の好調時を支えたCBで90分間フル出場。相手はフィジカルに強みを持つFWエリソンが先発し、試合途中からはFW山田新も加わる2トップとなったが、DF鈴木義宜とのコンビで見事に無失点に抑え込んだ。

 171cmの上背ながら昨季はCBの主力を担い、好調が続いた後半戦はCB出場時6勝3分3敗という戦績を記録していた宮本。この日はエリソンとのマッチアップが続いていたが、「(エリソン)は素晴らしい選手だけどJリーグにはたくさんの素晴らしい選手がいて、去年1年間いろんな方と対戦できたのであまり恐れずにできた」といい、「あそこでペースを握らせなかったかなと個人評価している」と手応えを口にした。

 開幕節は本職と言える右サイドバックで先発出場したが、ハーフタイムに新加入DF須貝英大と交代。その後は須貝が右SBで起用され続ける中、宮本は期限付き移籍契約の関係で出場できなかった第2節・浦和戦を経て、第3節・神戸戦(△1-1)はベンチのまま試合を終えるという悔しい立場に回っており、この日にかける思いは「楽しみだったけど、チームの状況、自分の起用法を考えるとすごく緊張した」ほど大きなものだった。

 それでも前節・神戸戦後、「悪かった試合の後も個別で連絡をくれることがある」という流通経済大時代からの恩師、チョウ・キジェ監督からの電話で覚悟を固めた。

「この前の2試合は良い試合をしている中でも勝ち切れなかった部分で、2日前にチョウさんから電話をいただいて『CBで行くから』と言われた。常に求められていることは“勝ち”しかないけど、なおさらそう思った」(宮本)

 そこで頭をよぎったのは今季加入でCB起用が続いていたDFパトリック・ウィリアム、前節は守備固めで悔しいドローを経験したDFアピアタウィア久らライバルたちの存在だった。「ウィリアムも(状態が)良い中で僕にチャンスをくれたので、必ず勝たないといけないなと。ウィリアムに対しても、ベンチに入っているアピに対しても、起用してくれたチョウさんに対してもそういう気持ちがすごく強かった」。その覚悟をしっかりとピッチでぶつけた。

 この日の好パフォーマンスは宮本個人だけでなく、チームにとっても良いターニングポイントになるはず。「ここまでの2試合もいい試合をしていたし、自分たちが良ければどこが来ても戦えるのは証明できた。でもこれで浮き足立たず、もう一回自分たちを見つめ直して、自分たちの良い時を考えてやっていかないといけない」(宮本)。まずは昨季後半戦の好調時の戦いをベースに、今季こそは前半戦から勝ち点を積み上げていく構えだ。 (取材・文 竹内達也)★日程や順位表、得点ランキングをチェック!!●2025シーズンJリーグ特集

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