ルーマニア首相が辞任、大統領選第1回投票の極右勝利で政治混乱

Andra Timu、Irina Vilcu

ルーマニアのチョラク首相が辞任を表明した。4日投開票された大統領選挙の第1回投票では、極右政党「ルーマニア人統一同盟」のジョージ・シミオン党首が他候補に大差を付けて首位に立ち、同国は新たな政治的混乱に陥った。

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  チョラク氏は、連立政権が支持する候補が大統領選で敗退し、連立政権として前進できなくなったと説明。ただ、18日の大統領選決選投票の結果次第で、自らが率いる社民党(PSD)と国民自由党(PNL)、ハンガリー人民主同盟(UDMR)の連立が復活する可能性も示唆した。大統領選の勝者は新たな首相を指名する。

  「連立政権として、統一候補を支持し勝利するという目標を達成できなかった。つまり、この連立政権は正当性を失った」と、チョラク氏はPSDの会合後に記者団に語った。

  当面はプレドイウ内相が暫定首相を務める。

  首相辞任は、ルーマニアで数カ月続いている政治危機をいっそう複雑化する。同国は独裁者だったチャウシェスク元大統領を1989年に打倒して以降も汚職や貧困が続き、この間の政権を担った政党に有権者の怒りが向いている。

  この風に乗ったのがシミオン氏で、決選投票では中道派のブカレスト市長、ニクショル・ダン氏と対決する。

  シミオン氏は隣接するウクライナとモルドバの一部領土について領有権を主張しており、両国から入国を禁止されている。ウクライナに対する軍事支援停止も呼び掛けている。

原題:Romanian Premier Resigns as Far-Right Surge Triggers Turmoil (1)(抜粋)

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