(まとめ)日経平均は86円高の50,253円で4日続伸 今晩の米国市場は短縮取引

2025/11/28

日経平均は51円安の50,218円と反落して取引を開始しました。27日の米国市場は、感謝祭による休場であったことから、取引材料が乏しく朝方は小幅安での推移となりました。10時5分に177円安の49,989円と、節目の5万円台を割り込み本日の安値を更新しました。その後は押し目買いも入り、再び5万円台に乗せるもその後は方向感に欠け、22円安の50,144円で前引けとなりました。 後場も寄付きは小幅安圏での推移となるも、中ごろから反転し、後半は小幅高での推移となり、最終的には86円高の50,253円と4日続伸で大引けとなりました。

TOPIXは9ポイント高の3,378ポイントで3日続伸、新興市場では東証グロース250指数が4ポイント高の699ポイントと3日続伸で取引を終えました。

2.個別銘柄等

大手工作機械メーカーのオークマ(6103)は6.7%高の3,765円をつけ3日続伸となる大幅高となりました。27日、国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最上位の「1(アウトパフォーム)」に、目標株価を3,500円から4,200円にそれぞれ引き上げ、これを材料視した買いが入りました。 三越伊勢丹ホールディングス(3099)は1.0%安の2,436.5円をつけ5日ぶりに反落となりました。 日中両国は台湾を巡る高市早苗首相の国会答弁をきっかけに対立を深めており、中国側は日本観光の自粛呼びかけや日本産水産物の輸入停止など経済的な威圧を続けている中で、インバウンド関連銘柄に売りが出ました。 アシックス(7936)は2.2%安の3,741円をつけ3日ぶりに反落となりました。27日、中国スポーツ用品大手の安踏体育用品(アンタ)がドイツ同業のプーマの買収を検討していることを伝える記事の中で、同社も買収に関心を示していると報じられたことから買い材料視されるも、同社がこれを否定したことで売りが優勢となりました。 ダイドーグループホールディングス(2590)は2.5%高の2,548円をつけ反発となりました。27日、2026年1月期の第3四半期決算を発表し、純利益が前年同期比93.5%減の4億6,800万円と国内事業が振るわず大幅減益となったものの、2025年2-7月期の中間決算での最終損益は13億円の赤字であったことから、黒字転換を好感した買いが入りました。

創薬ベンチャーのラクオリア創薬(4579)はストップ高水準となる19.9%高の904円をつけ年初来高値を更新しました。27日、連結子会社であるファイメクスがアステラス製薬(4503)とのがんを標的疾患として複数の標的を対象とした標的タンパク質分解誘導剤の共同研究において、次の段階に進むことで合意したと発表し、これによる将来的な業績拡大への期待から買いが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は週間で3.3%高と、前の週の下落をほぼ取り返す上昇となりました。今晩の米国市場は、感謝祭翌日で短縮取引となります。

週明け12月1日(月)は国内で7-9月期の法人企業統計の発表のほか、名古屋で行われる金融経済懇談会での日銀植田総裁の挨拶が予定されています。足元では長期金利が1.8%を超えるなど、財政懸念などを理由とした金利上昇基調にある中で、政策金利引き上げなどについての日銀総裁の発言に注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)

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