リーブス英財務相、市場混乱の緩和図る-中国と金融連携強化で合意

Bloomberg News

  • 向こう5年で英経済に6億ポンドの利益をもたらす合意を中国と結ぶ
  • 金融サービス分野での連携強化と一部輸出障壁の撤廃で合意

リーブス英財務相は中国訪問中に英国の財政状況に対する懸念の緩和を図り、向こう5年間で英経済に総額6億ポンド(約1160億円)の利益をもたらす合意を中国と結んだ。

  リーブス氏は11日、北京で記者団に「ここ数日、グローバル金融市場で確かに動きがあった」とした上で、「10月の予算で示した財政ルールは交渉の余地がなく、われわれはこのルールを確実に達成するための措置を講じる」と語った。

  これは、このところの英国債やポンドなどの売り浴びせを受けて英政府は新たな歳出削減ないし増税を発表せざるを得ないとこれまでで最も明確に認めるリーブス氏の発言となった。市場混乱の中、野党は同氏の訪中中止を求めていた。

  リーブス氏はこの日、中国などとの貿易拡大などを通じて経済成長を追求するという労働党政権の目標を繰り返し述べた。英中のハイレベル二国間協議の復活を目指した今回の訪問には、イングランド銀行(英中央銀行のベイリー総裁や英金融行為監督機構(FCA)のラティ長官、HSBCホールディングスなどの銀行幹部も同行した。

  英財務省の発表文によると、一行は北京で中国の何立峰副首相と会談し、金融サービス分野での連携を深め、一部輸出障壁を撤廃することで合意した。

  両国はストックコネクト(株式相互取引)のさらなる強化をコミットするとともに、店頭債券取引の開始を歓迎した。

  発表文によると、中国の貿易障壁の撤廃、特に農業食品分野の障壁撤廃は英国の貿易を後押しし、新たな雇用創出につながる見込みだ。

原題:Reeves Seeks to Calm Market Turmoil as UK Touts China Deals(抜粋)

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