トランプ大統領、AIを「SI」に改称宣言 ネットでは皮肉が続々

 人工知能をAIと呼ばなくなれば、この技術はもっと受け入れられやすくなるのだろうか。  Donald Trump米大統領は米国時間9月22日、国連総会で各国首脳を前に演説し、今後の米政府文書では「artificial intelligence(人工知能)」の代わりに「super intelligence(スーパーインテリジェンス)」、略して「SI」という言葉を使うと述べた。その方が「より正確」だという。  「artificial(人工的)という言葉を使うと、知能が偽物のように聞こえる」とTrump氏は国連で語った。「偽物ではない。実に素晴らしいものだ」  そして改称を祝うように、こう宣言した。「スーパーインテリジェンス、SIの新たな世界へようこそ」  ただし、記事執筆時点では、AIからSIへの名称変更を義務付ける正式な政府命令は出ていないようだ。ホワイトハウスの担当者は米CNETの問い合わせに対し、大統領の国連での発言を参照するよう求めた。  Trump氏は19日の時点では、まだAIという言葉を使っていた。同日、2019年に発足した宇宙軍(Space Force)に続く構想として、AI Force(AI軍)を提案している。  続いて21日、Trump氏はSNSの「Truth Social」と「X」にアンケートを投稿し、AIに代わる名称として「superior intelligence(優れた知能)」「extreme intelligence(極限の知能)」「supreme intelligence(至高の知能)」のどれがよいか投票を呼びかけた。この投票では、締め切り前の時点で「superior intelligence」が先行していた。  その1時間もたたないうちに投稿された別のアンケートでは、「super intelligence」と「superior intelligence」のどちらがよいかを尋ねた。こちらは「super」が僅差で勝った。  Trump政権による名称変更は、これが初めてではない。2025年1月の大統領令では連邦政府機関に対し、公文書ではメキシコ湾を「アメリカ湾」と呼ぶよう指示した。2026年8月には、Trump氏がオンタリオ湖を「アメリカ湖」とするよう命じたばかりだ。ワシントンのケネディ・センターの名称に同氏の名前を加えることをめぐっても、争いが続いている。  言葉の意味をめぐる混乱は、さらに広がりそうだ。AIという呼び方はすでに広く定着している。もっと厄介なのは、Trump氏の提案した名称が、IT業界ですでに明確な意味を持つ用語を横取りしてしまうことだ。1語でつづる「superintelligence(超知能)」は、思考力でも能力でも人間を上回る、仮説上のAIモデルを指す言葉として使われている。 中国との競争も「スーパー」に  SNSでは早速、世界のAI開発競争を「スーパー」な皮肉でからかう投稿が現れた。Clay Jones氏は「Bluesky」に「中国はもう『Super Duper Intelligence(とびきりすごい知能)』を開発している」と書き込んだ。 水着特集号はどうなる?  SIがすでにスポーツ誌「Sports Illustrated」の略称として使われていることをネタにした人もいた。Blueskyのある投稿者は「これでは水着特集号がまったく楽しみではなくなった」とコメントした。 「トランプ」ブランドはどこへ?  新名称には大統領自身のブランド名が入るはずだと考えた人もいた。「どこかに『Trump』を入れると思っていた。例えば……『Super Trump Intelligence』、略して『STI』とか」 そもそも知能はあるのか?  別のXユーザーは直球の切り返しを選んだ。「この政権にあるのは『知能の欠如』だ」 新しい流行語をはやらせたい  2004年の映画「ミーン・ガールズ」の有名な場面を引き合いに出した投稿もある。女子グループのメンバーであるグレッチェン・ウィンナースが、「fetch」という言葉を新しいスラングとして定着させようとする場面だ。 SIに「sí」と言おう  SIのつづりを、スペイン語で「はい」を意味する「sí」に重ねたミームや投稿もあった。 スーパーインテリジェンス・デイ  1996年の映画「インデペンデンス・デイ」の有名な場面をネタにした投稿もあった。架空の大統領がエイリアンの攻撃に立ち向かうよう国民を鼓舞する場面だ。 社名まで変更?  漫画「Fox Trot」で知られる大御所漫画家のBill Amend氏は、AIをSIに変えると、AIという言葉を使っている企業にも連鎖的な影響が及ぶかもしれないと指摘した。同氏はBlueskyに「OpenAIの弁護士たちは今ごろ、『OpenSI』の商標とウェブドメインを押さえようと大慌てしている……」と書き込んだ。 名前を変えれば何が変わる?  名称を変えても、この技術をめぐって議論になっている問題は何も解決しない、と指摘する人たちもいた。ある投稿者はこう書いている。「みんな、朗報だ! 人工知能が仕事を奪ったり、地球を破壊したりすることはない。仕事を奪い、地球を破壊するのはスーパーインテリジェンスだ」 この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

CNET Japan
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