スターマー英首相、ウクライナ初訪問 安保協力強化へ
[ロンドン 16日 ロイター] - スターマー英首相は16日、昨年7月の就任後初めてウクライナを訪問し、安全保障協力などを強化する「100年パートナーシップ」協定に署名した。
トランプ米次期大統領の就任を控え、ウクライナのゼレンスキー大統領への支持を表明した形だ。ドイツのピストリウス国防相も14日、ウクライナを訪問している。
ゼレンスキー氏はスターマー氏との会談で、ロシアとの停戦が実現した場合にウクライナが望んでいる西側諸国の平和維持部隊派遣などについて協議したと述べた。
会談は大統領官邸上空でウクライナの防空システムがロシアのドローン(無人機)を撃墜した際の大きな爆発音で中断された。
ゼレンスキー氏はビデオ演説で、英国がウクライナに年間30億ドル以上の軍事援助を提供することを約束したと述べた。
協定には教育やテクノロジーを含む幅広い分野での支援が含まれ、「秘密条項」があると明らかにし、「全てがわれわれの強さと発展の可能性を高めるものだ」と述べた。
スターマー氏はゼレンスキー氏との共同記者会見で、英国は「ウクライナの安全、独立、自らの将来を選択する権利を保証する公正かつ永続的な平和を得るための実用的な方法」を検討すると述べたが、詳細は明らかにしなかった。
100年パートナーシップでは軍事協力を強化し、バルト海、黒海、アゾフ海の安全保障強化やロシアの侵攻阻止を目指す。文化的な結びつきも深めるほか、エネルギー、重要鉱物、グリーンスチール生産などの分野でも協力する。
スターマー氏は「ウクライナを最も親しいパートナーから引き離そうとするプーチンの野望は戦略的に大失敗だった」と表明。「われわれはこれまで以上に親密になっており、このパートナーシップは友好関係を次のレベルに引き上げるだろう」と述べた。
パートナーシップはウクライナの経済復興に4000万ポンド(4900万ドル)を拠出するほか、穀物の検査や、戦闘準備の整った装備を生産しているウクライナのテクノロジー部門との貿易に関する追加支援も含まれている。
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