日経平均:今こそ注目の「割安銘柄TOP5」(西 勇太郎)
日経平均株価が7万円に到達するかという中で大幅な米株下落に上値を抑えられた現況ですが、日経225構成銘柄について、グローバル同業他社比較の観点で割安度が高いトップ5を探してみました。
どの銘柄が割安かを知るためには、株式の評価と収益性がおおむね、図のような比例関係にあることを利用しました。
<株価評価と収益性はおおむね比例関係>
出所:各社資料より作成
具体的には、日経平均を構成する225社のうち、同業他社との間で株価純資産倍率(PBR)(株価評価)と自己資本利益率(ROE)(収益性)の比例関係が認められる137社(日経平均に占めるウエート合計は76%)について、同業他社比で割安か割高かを分析するとともに、その割安度合い・割高度合いが解消された場合の各社の株価について計算しました。
137社について現在の株価からの上昇率が高い順に並べ、トップ5を見つけ出しました。
以下が、日経平均構成銘柄の中で、グローバル同業他社比較の観点で割安感が高いトップ5企業です。
<日経平均構成銘柄割安トップ5>
順位 社名 証券 コード 株価 PBR 割安感解消 PBR 株価 上昇率 1 JR東海(東海旅客鉄道) 9022 3,463 0.7 1.9 10,200 195% 2 DOWAHD 5714 9,104 1.2 3.1 23,900 163% 3 SCREENHD 7735 12,455 4.8 10.5 27,000 117% 4 塩野義製薬 4507 2,768 1.4 3.0 6,000 117% 5 アルプス・アルパイン 6770 2,099 0.9 1.9 4,300 105% ※株価は2026年6月9日終値 出所:各社資料などより作成1位:JR東海
世界の上場鉄道企業にはJR東海(9022 東京)などのJRグループ各社に加え、ユニオン・パシフィック(UNP NYSE)、CSX(CSX NASDAQ)、カナディアン・ナショナル・レイルウェイ(CNR トロント)、ノーフォーク・サザン(NSC NYSE)など多くの企業があります。
これら上場鉄道企業主要30社について、上述の通り、収益性についてはROEを、株価評価についてはPBRを適用した散布図を作成すると、株価評価と収益性がおおむね比例関係にあることが分かります。
その中で、JR東海(英語名:Central Japan Railway)は割安方向にずれています。現在JR東海の株価は減益見通しが嫌気されて3,463円(PBR0.7)と低迷していますが、この割安感が解消された場合のPBR(散布図の青破線に乗る水準)は1.9であり、相当する株価は1万200円です。
<世界の主な鉄道企業30社のROEとPBRの関係>
出所:各社資料より作成
人口増加している米国と人口減少している日本の鉄道企業を比較することに異論があるかもしれませんが、実際に過去10年間の業績をカナダ企業も含めて比較してみると、JR東海の売上高および利益の伸び率は北米2社に比してそん色無い水準となっています。株主資本にあっては、JR東海が突出している状況です。
確かにJR東海の2026年度の利益が減益見通しであることは他2社に比して見劣りする点ですが、過去10年間の利益変化の範囲に収まり、相応に高い水準であり、2026年度にさらに株主資本蓄積が見込まれています。株価が変化しなければ、割安なPBRがさらに低下することになることなどを考慮すると、やはり現在の割安水準は是正されるべきと考えます。
<JR東海と米国・カナダ同業の業績推移>
単位 2015年度 2025年度 変化(倍) 2026年度 予想 売上高 JR東海 億円 17,384 20,062 1.2 19,930 ユニオン・パシフィック 百万ドル 21,813 24,510 1.1 25,987 カナディアン・ナショナル 百万加ドル 12,611 17,304 1.4 17,964 当期純利益 JR東海 億円 3,374 5,529 1.6 4,470 ユニオン・パシフィック 百万ドル 4,772 7,138 1.5 7,457 カナディアン・ナショナル 百万加ドル 3,538 4,720 1.3 4,741 株主資本 JR東海 億円 23,164 50,682 2.2 54,010 ユニオン・パシフィック 百万ドル 20,702 18,467 0.9 22,513 カナディアン・ナショナル 百万加ドル 14,950 21,568 1.4 20,909 出所:各社資料およびFactSet資料より作成アプリで投資を学ぼう
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