トランプ氏が仮想通貨「$TRUMP」立ち上げ、就任式控え急騰

トランプ次期米大統領の就任式を控えた20日、トランプ氏が先週末に立ち上げた暗号資産(仮想通貨)「$TRUMP」がアジア時間の取引で急騰し、時価総額が90億ドルを超えた。資料写真、2020年9月撮影(2025年 ロイター/Tom Brenner)

[シンガポール 20日 ロイター] - トランプ次期米大統領の就任式を控えた20日、トランプ氏が先週末に立ち上げた公式暗号資産(仮想通貨)「$トランプ」がアジア時間の取引で急騰し、時価総額が120億ドル近くに達した。一方、ビットコインは過去最高値を記録した。

コインマーケットキャップによると、17日に発表された$トランプは0820GMT(日本時間午後5時20分)時点で58.56ドル。時価総額は約117億ドルとなり、仮想通貨の時価総額ランキングで18位となった。24時間の出来高は525億ドルに達した。

$トランプのウェブサイトによると、トランプ氏の企業であるトランプ・オーガニゼーションの関連会社CICデジタルと、ファイト・ファイト・ファイトという別の関連企業が80%を保有している。

トランプ氏の妻、メラニア・トランプ氏も19日、独自の公式仮想通貨を発行した。コインマーケットキャップによると、0820GMT時点で約12.03ドル、時価総額は19億ドルとなっている。

こうした中、ビットコインは欧州時間早朝の取引で過去最高値となる10万9071.86ドルを記録した。ビットコインは今月10%以上上昇している。

<パンドラの箱>

仮想通貨のコミュニティーでもトランプ氏の仮想通貨発行は驚きをもって受け止められた。

香港を拠点とする独立系仮想通貨アナリスト、ジャスティン・ダネタン氏は「トランプ氏による単なる話題作りとして片付けたくなるが、トランプ氏の公式仮想通貨が発表されたことで、倫理や規制を巡る疑問のパンドラの箱が開いてしまった」と指摘した。

「統治、利益、影響力の境界線を曖昧にする。政治的影響力を持つ人物は、投機市場でこのような影響力を行使すべきなのか。これは規制当局が無視できない問題だ」と警告した。

トランプ氏は、20日の就任後早々に仮想通貨業界向けの規制を軽減する大統領令を計画している。 もっと見る

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Elizabeth Howcroft reports on finance and technology, including Europe's "fintech" industry and cryptocurrencies. She was part of the team which won a Loeb award and SABEW award for covering the collapse of crypto exchange FTX in 2022.

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