トランプ氏が仮想通貨「$TRUMP」立ち上げ、就任式控え急騰
[シンガポール 20日 ロイター] - トランプ次期米大統領の就任式を控えた20日、トランプ氏が先週末に立ち上げた公式暗号資産(仮想通貨)「$トランプ」がアジア時間の取引で急騰し、時価総額が120億ドル近くに達した。一方、ビットコインは過去最高値を記録した。
コインマーケットキャップによると、17日に発表された$トランプは0820GMT(日本時間午後5時20分)時点で58.56ドル。時価総額は約117億ドルとなり、仮想通貨の時価総額ランキングで18位となった。24時間の出来高は525億ドルに達した。
$トランプのウェブサイトによると、トランプ氏の企業であるトランプ・オーガニゼーションの関連会社CICデジタルと、ファイト・ファイト・ファイトという別の関連企業が80%を保有している。
トランプ氏の妻、メラニア・トランプ氏も19日、独自の公式仮想通貨を発行した。コインマーケットキャップによると、0820GMT時点で約12.03ドル、時価総額は19億ドルとなっている。
こうした中、ビットコインは欧州時間早朝の取引で過去最高値となる10万9071.86ドルを記録した。ビットコインは今月10%以上上昇している。
<パンドラの箱>
仮想通貨のコミュニティーでもトランプ氏の仮想通貨発行は驚きをもって受け止められた。
香港を拠点とする独立系仮想通貨アナリスト、ジャスティン・ダネタン氏は「トランプ氏による単なる話題作りとして片付けたくなるが、トランプ氏の公式仮想通貨が発表されたことで、倫理や規制を巡る疑問のパンドラの箱が開いてしまった」と指摘した。
「統治、利益、影響力の境界線を曖昧にする。政治的影響力を持つ人物は、投機市場でこのような影響力を行使すべきなのか。これは規制当局が無視できない問題だ」と警告した。
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Elizabeth Howcroft reports on finance and technology, including Europe's "fintech" industry and cryptocurrencies. She was part of the team which won a Loeb award and SABEW award for covering the collapse of crypto exchange FTX in 2022.