08年巨人「開幕5連敗→13.0差を大逆転V」、22年ホークス「開幕8連勝→M1からV逸」序盤戦・オープン戦成績が優勝に直結しない説はホントか(Number Web)
まず「オープン戦の成績は、ペナントレースとリンクしているのか?」 2010年〜24年の過去15年、両リーグの優勝チームのオープン戦勝率は以下の通り。 〈セ・リーグ〉 96勝119敗27分 率.447 平均順位7.7位 1位1回、12位2回 〈パ・リーグ〉 134勝78敗23分 率.632 平均順位3.4位 1位6回、12位0回 なんと、セ・リーグ優勝チームはオープン戦合計で負け越しているのに対して、パの優勝チームは6割超の高勝率である。 【ここ15年の両リーグチームのオープン戦勝敗】 〈セ・リーグ〉 573勝692敗165分 率.453 平均順位7.3位 〈パ・リーグ〉 652勝533敗153分 率.550 平均順位5.4位 パ・リーグが大きく勝ち越している。とりわけソフトバンクはここ15年、136勝78敗27分 率.636、平均順位3.1位と強烈に強い。一方で、セ・リーグはその年の優勝チームであっても負け越していることが多い。日本シリーズでもオールスターでもパ・リーグが勝ち越しているが、オープン戦はそれがさらに顕著なのだ。
少しわき道にそれたが、セ・パの格差もあったために、ペナントレースを占う材料としてオープン戦の成績を当てはめるのは、あまり役に立たないということだ。 では、ペナントレース序盤戦の成績はどうだろうか? プロ野球がセントラル、パシフィックの2リーグに分立した1950年から2024年までの75年間の両リーグの開幕カード(3連戦)と10戦目までの勝敗を見ると……。 【優勝チームの開幕カードの勝敗】 〈セ・リーグ〉 134勝84敗7分 率.615 〈パ・リーグ〉 139勝79敗7分 率.638 【開幕から10試合目までの勝敗】 〈セ・リーグ〉 442勝280敗28分 率.612 〈パ・リーグ〉 436勝297敗17分 率.595 勝ち越してはいるが、ダントツの数字というわけではない。そもそもペナントレースの優勝チームの勝率が6割そこそこだから、大きく勝ち越さなくてもいいわけだ。
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【第3週 2025年4月7日から13日まで】 ・チーム順位 〈セ・リーグ 第3週〉 広島6試4勝1敗1分率.800 ヤクルト3試2勝1敗0分率.667 DeNA3試1勝1敗1分率.500 中日5試2勝2敗1分率.500 巨人5試1勝3敗1分率.250 阪神4試1勝3敗0分率.250 広島が4勝1敗と好調だったが、ヤクルト-DeNAは3試合中2試合も成立せず。早くも日程調整に懸念が生じている。 〈パ・リーグ 第3週〉 ソフトバンク5試4勝0敗1分率1.000 日本ハム6試4勝2敗0分率.667 オリックス6試3勝2敗1分率.600 西武5試3勝2敗0分率.600 ロッテ4試1勝3敗0分率.250 楽天6試0勝6敗0分率.000 ソフトバンクがオリックス戦で2勝1分。勢いに乗りロッテ戦も連勝。楽天は前週から6連敗と苦しんでいる。 ・打撃成績 ※打撃の総合指標であるRC(Runs Created)順 〈セ・リーグ〉 小園海斗(広)26打12安5点 率.462 RC6.43 岡本和真(巨)18打7安1本3点 率.389 RC5.97 牧秀悟(De)12打6安1本4点 率.500 RC5.06 泉口友汰(巨)13打6安1本1点 率.462 RC4.30 吉川尚輝(巨)24打9安2点 率.375 RC4.27 広島の小園は6試合で12安打と安打を量産し、巨人の岡本は前週に引き続き好調をキープ。本塁打は巨人・岡本、泉口、DeNA牧など7選手が1、打点は広島・小園と、末包昇大の5が最多。盗塁は阪神・大山悠輔、中日カリステなど6選手が1をマークした。 〈パ・リーグ〉 山川穂高(SB)21打10安3本6点 率.476 RC8.35 杉本裕太郎(オ)16打7安3本3点 率.438 RC7.19 頓宮裕真(オ)19打7安2本6点 率.368 RC7.12 太田椋(オ)24打11安1点 率.458 RC6.39 水野達稀(日)18打7安1本7点 率.389 RC5.23 ソフトバンク山川が10安打3本塁打6打点と大当たり。3本塁打はオリックス杉本と並び1位、打点は楽天戦3試合で7打点を挙げた日本ハム水野が1位。盗塁は西武の源田壮亮、オリックス中川圭太が2回成功した。 ・投手成績 ※リーグ平均防御率に準拠したPR(Pitching Run)順 〈セ・リーグ〉 床田寛樹(広)1登1勝9回 責0率0.00 PR2.46 山﨑伊織(巨)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.19 高橋奎二(ヤ)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.19 ケイ(De)1登1勝7回 責0率0.00 PR1.91 柳裕也(中)1登7回 責0率0.00 PR1.91 広島・床田は12日の巨人戦で123球完封勝利。救援ではヤクルト石山泰稚が3セーブ。中日のマルテと広島の森浦大輔が3ホールドで最多だった。 〈パ・リーグ〉 山﨑福也(日)1登8回 責0率0.00 PR2.89 今井達也(西)1登8回 責0率0.00 PR2.89 九里亜蓮(オ)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.89 隅田知一郎(西)1登1勝8回 責0率0.00 PR2.89 大関友久(SB)1登1勝7回 責0率0.00 PR2.53 4月11日の日本ハムー西武戦で日本ハム山﨑と西武今井がともに8回零封するも勝ち星つかず。12日の楽天戦でオリックス九里も8回零封。救援では西武平良海馬が2セーブ、オリックス山田修義、ぺルドモ、ソフトバンク藤井皓哉、松本裕樹、西武ウィンゲンターが2ホールド。
《記録》 ソフトバンク周東佑京が10日のオリックス戦で史上80人目の200盗塁を達成。ここまでの周東は200盗塁42盗塁死の成功率.826。これは200盗塁以上だとヤクルト西川遥輝の.838(342盗66死)、鈴木尚広の.829(228盗47死)、広瀬叔功の.829(596盗123死)に次ぐ史上4位の高い成功率である。 〈野球特集:つづく〉
(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)