(まとめ)期初の売りが出た日経平均は381円安で4日続落 今晩はADP雇用者数に注目

2025/10/01

日経平均は100円安の44,831円で続落して寄付きました。先週9月25日に最高値を更新して以来、利益確定の売りなどから軟調に推移しており、本日も売りが優勢となりました。前場中ごろには持ち直す場面がみられましたが、後半にかけて下げ幅を拡大した日経平均は前引け間際の11時18分に574円安の44,357円をつけ本日の安値を更新し、521円安の44,411円で午前の取引を終えました。 後場は持ち直しての推移となるも、上値は重く、最終的には381円安の44,550円と4日続落で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が3日続落、3.4%安となりました。

2.個別銘柄等

サンリオ(8136)は5.2%高の7,310円をつけ4日ぶりに反発となりました。国内証券が9月30日付のリポートで、同社の目標株価を従来の7,400円から足元の水準を上回る8,200円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。投資判断は3段階で最上位の「1(アウトパフォーム)」を据え置いています。 三菱重工業(7011)は3.8%安の3,732円をつけ続落となりました。前日夜に2026年3月期(今期)の当期純利益が、事業再編に伴う損失によって前期比6.3%減の2,300億円を見込むとし、従来予想から300億円の下方修正を発表し、これを嫌気した売りが優勢となりました。 朝日インテック(7747)は1.5%安の2,366.5円をつけ反落となりました。米地質調査所(USGS)によると、フィリピン中部セブ島沖で9月30日にマグニチュード6.9の地震があったとされ、同社はセブ島周辺に製造工場を保有しており、懸念した売りが出ました。同社によれば、同工場は「(地震の)影響はなく、通常通りに運営している」としています。 インフロニア・ホールディングス(5076)は一時、10.2%高の1,695.5円をつけ年初来高値を更新しました。9月30日に、2026年3月期(今期)の当期純利益が前期比57.3%増の510億円になりそうだと発表し、従来予想の334億円から上方修正となったほか、年間の配当計画を1株あたり78円(前期は60円)とし、従来計画の60円から引き上げ、これらを好感した買いが集まりました。

生体認証などオンライン本人確認サービスのELEMENTS(5246)は12.7%安の882円をつけ大幅続落となりました。9月30日、海外募集で現在の発行済み株式総数の約10%にあたる240万株の新株を発行すると発表し、株式の需給悪化を嫌気した売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

期初の売りが出たことが重荷となり、日経平均は4日続落となりました。明日に向けて、今晩発表される米ADP雇用者数やISM製造業景気指数に注目が集まります。ADP雇用者数は市場予想で前月比50千人と前回結果から低下が見込まれています。今週末に控える雇用統計の前哨戦とも考えられ、利下げのきっかけとなった労働市場の低下基調が示されるかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)

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