エヌビディア、高性能チップやAIスパコン発表-地位固め目指す
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- フアンCEOが年次開発者会議「GTC」の基調講演で発表
- さまざまな製品紹介も驚くような発表なく、株価は3.4%下落
半導体大手の米エヌビディアは18日、高性能チップやロボット工学モデルのほか、開発者がデスクトップ上で作業できる「パーソナル人工知能(AI)スーパーコンピューター」などの計画を発表した。AIブームの中心的存在として地位固めを目指す。
ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は同社の年次開発者会議「GTC」で基調講演を行い、「人型ロボット開発を大幅に促進する」プラットフォーム「Isaac GR00T N1」を発表した。ウォルト・ディズニーおよびグーグルのAI部門ディープマインドとの共同プロジェクトで、外部の開発者にも公開予定だ。
同会議は以前はあまり有名ではなかったが、エヌビディアがAI分野で中心的な役割を担うようになってからは注目度の高いイベントとなった。テクノロジー業界やウォール街は特にフアンCEOのプレゼンから今後の手掛かりを得ようとしている。
フアン氏は約2時間の講演で、さまざまなハードウエアやソフトウエア、サービスを紹介。ただ投資家が驚くような発表はなく、同日の株価は3.4%下落した。
フアン氏によると、エヌビディアは次世代自動車や工場、ロボットにAIを活用するためにゼネラル・モーターズ(GM)と協力している。無線通信プロジェクトにはTモバイルUSやシスコシステムズが参加しているという。エヌビディアは次世代の6Gネットワーク用に「AIネーティブ」な無線ネットワーク・ハードウエアを作り出す支援を行うとしている。
新しいパーソナル・スーパーコンピューターシステムはデル・テクノロジーズやHPなどが製造する。講演ではエヌビディアの主力AIプロセッサ-の次世代版「ブラックウェル・ウルトラ」も発表された。2025年下期(7-12月)に発売予定で、26年下期には大幅にアップグレードされた「ベラ・ルービン」が投入される。
今回の会議はエヌビディアにとって重要な意味を持つ。同社の売上高と時価総額は過去2年間に大きく伸びたが、25年に入り投資家はその持続可能性に疑念を持つようになった。中国のスタートアップ、DeepSeek(ディープシーク)が、競争力のあるAIモデルをわずかなリソースで開発したと発表したことで、懸念が浮き彫りとなった。
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原題:Nvidia Seeks to Expand AI Reign With Robots, Desktop Systems、Nvidia to Work With GM on Self-Driving Cars, Develop 6G Networks(抜粋)