新大阪―伊丹空港直結鉄道も。大阪「副首都像」のインフラ構想が壮大すぎて
大阪府と大阪市が、副首都の実現に向けた都市機能の整備構想を公表しました。鉄道では新大阪―伊丹空港直結鉄道や関空高速アクセス鉄道、道路では新御堂筋の別線整備や紀伊淡路連絡道路などを列挙しています。2040~2050年代を視野に入れた壮大なインフラ構想です。その内容を見てみましょう。
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「大阪がめざす副首都像」を公表
大阪府と大阪市は、2026年9月17日に開催した第26回副首都推進本部会議で、「大阪がめざす副首都像(検討状況)」を公表しました。
大規模災害時に首都機能を代替する「副首都」の実現に向けて、大阪に導入・集積すべき都市機能を整理したものです。
そのなかで、副首都を支える都市機能の一つとして、物流・交通インフラの充実・強化を掲げました。
「府域全体で導入すべき機能」として、鉄道、道路、空港、港湾の整備構想を提示。2030年代の「短期的視点」と、2040~2050年代の「中長期的視点」に分けて、事業名を列挙しています。
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鉄道関係では、まず、「リニア中央新幹線」と「北陸新幹線の大阪延伸」を挙げました。2040年代以降の開業を示す「中長期的視点」に分類されています。
関西空港アクセス関連では、建設中の「なにわ筋線」、事業化が検討されている「なにわ筋連絡線・新大阪連絡線」のほか、「関空高速アクセス鉄道」「第2ターミナルへの鉄道延伸」が盛り込まれました。
画像:『大阪がめざす副首都像』より広告
新大阪駅と伊丹空港を直結
さらに、「新大阪―伊丹空港直結鉄道」も明記されました。新大阪駅と大阪国際空港(伊丹空港)を鉄道で直接結ぶ構想です。
そのほか、「モノレール延伸」や「桜島線延伸」「相互直通運転、地下鉄の市域外延伸」も盛り込まれています。
今回の資料では、いずれも、具体的なルートや整備方式などは示されていません。
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これらの鉄道計画は多くが2050年代までの取組例とされていますが、なにわ筋線とモノレール延伸、桜島線延伸だけが2030年代までに分類されました。
なにわ筋線と大阪モノレールの瓜生堂延伸はすでに事業着手しており、それぞれ2030年度、2033年度の開業予定です。
これに対し、JR桜島線の夢洲延伸は未着手です。それでも府市として2030年代までの取組例に分類したことは注目点で、事業着手に向けて準備が進められていることがうかがえます。
実際、大阪府市は2025年にルート案の比較検討結果を公表し、2026年度には事業化に向けた調査費も計上しています。
なお、大阪市内の鉄道延伸計画と言えば、京阪中之島線の九条延伸も挙げられますが、今回の資料では「府域全体で導入すべき機能」に盛り込まれていません。ただし、他の部分で建設に前向きな記述がみられます。
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道路関係でも、大規模な整備構想が挙げられています。
「新名神高速道路全線開通」を2030年代までの取組例に置いたほか、新大阪駅周辺では、「新大阪高速ダイレクトアクセス」を2050年代までの例として提示しました。高速道路の新大阪駅への接続を強化する構想です。
また、新御堂筋については、短期的に車線数を増強し、中長期的には別線整備や高速道路との接続も検討項目としています。
広域道路では、「京奈和関空連絡道路」と「紀伊淡路連絡道路」を挙げました。
京奈和関空連絡道路は、京奈和地域と関西国際空港方面の交通を強化する構想です。紀伊淡路連絡道路は、紀淡海峡に橋を架ける構想です。
このほか、「淀川左岸線」などによる放射環状型道路ネットワークの形成も盛り込まれています。
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空港関係では、関西国際空港の機能強化を重視しています。
2030年代の取り組みとして、年間発着回数30万回や国際航空ネットワークの拡大を目指す「空港機能の強化」を盛り込みました。
一方、伊丹空港はアクセス強化では触れられていますが、空港そのものの強化にかんする記述は見当たりません。
港湾関係では、「大阪港のフェリーターミナル再編」や、「大阪港・堺泉北港の物流機能強化」「海上交通の交流機能強化」などを挙げました。
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今回、掲げられたプロジェクトがすべて実現したら、大阪府市の交通インフラ機能は大きく強化されるでしょう。その点で、壮大なプロジェクト集です。
ただ、その中身を見てみると、すでに事業化されているものから、長年にわたり構想段階にとどまっているものまで、さまざまなインフラ計画が含まれています。
2040~2050年代を視野に入れた中長期的構想の多くは、現時点で実現見通しが立っていないものがほとんどです。2050年代までにすべてが実現する可能性はきわめて低いと言わざるをえません。
とはいえ、副首都の実現を目指して、大阪・関西の交通インフラ整備構想を幅広く提示した資料としては興味深い内容です。(鎌倉淳)
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