「トランプ氏が党の足を引っ張っている」、米中間選挙での大敗回避に奔走する共和党(CNN.co.jp)

選挙集会でのトランプ米大統領=7日、テキサス州サンアントニオ(Mandel Ngan/AFP/Getty Images)

(CNN) 11月の米中間選挙まで3週間となる中、共和党の選挙運動は危機対応に追われる事態となっている。党幹部らは、かつて安泰とみられていた一連の選挙区での敗北を回避しようと奔走している。こうした議席を逃せば、上下両院の多数派を失いかねないとの懸念が強まっているためだ。

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情勢の悪化は、複数の激戦州の共和党関係者を警戒させている。共和党は、かつて民主党の地盤で目指していた議席獲得の野心と引き換えに、伝統的に共和党が強さを誇ってきた選挙区や州にリソースを投入せざるを得なくなっている。また、主要候補の応援を増やすようトランプ大統領に数カ月にわたって求めてきた共和党内部では、今やトランプ氏があまりに不人気のため本人の遊説が利益よりも害をもたらしているのではないかとの懸念すら出ている。再選を目指す共和党下院議員の1人は大統領の支持率に触れ、「トランプ氏が党全体の足を引っ張っている」と漏らした。共和党内に広がる悲観的な見通しの背景にはここ数週間の世論調査結果がある。イラン戦争や生活費の上昇に対する有権者の強い怒りを受け、共和党が下院の過半数を失う見通しであるほか、盤石とみられていた上院の過半数さえ失う重大な危機に直面していることが明らかになったのだ。接戦となる選挙区が増えたことで、選挙戦終盤に数億ドルを投じて劣勢を挽回するという共和党指導部の計画も複雑になっている。トランプ氏を支持するスーパーPAC(特別政治活動委員会)「MAGA Inc.」などの資金力を背景に、共和党は資金面で圧倒的な優位に立っているが、それでもこれまでの出費が共和党の情勢を大きく好転させたということはない。かつて楽勝とみられていた選挙戦に振り向けられる資金がかさんでいるためだ。上院選で共和党を支援する最大のスーパーPACはすでに、ノースカロライナ州での広告出稿の予約を取りやめ、少なくとも1000万ドル(約16億円)をカンザス州に投入した。同州の上院選では1932年以来、民主党候補は一度も勝利していない。また、共和党の地盤が極めて強いサウスカロライナ州では、現職の上院議員が民主党候補に劣勢になりつつあるとの懸念から500万ドルが投じられた。これに加え、このスーパーPACはテキサス州でケン・パクストン氏を支援するために1億ドル以上を費やしている。トランプ氏自身も1カ月のうちにテキサス州を3度訪問した。トランプ氏の顧問の1人は「誰もが今ごろ戦争は終わっていると期待していたが、終わっていない」と語った。「テキサスのようなところで接戦になるはずはないのに、明らかにそうなっている」下院選での資金配分を指揮する共和党幹部らは今後数日間で支援対象も絞り込むとみられる。事情に詳しい複数の関係者によると、勝てると判断した選挙戦への支援を強化する一方、見込みが薄れつつある候補への投資は大幅に削減するという。こうした絞り込みは、共和党が直面する困難をあらためて認める動きであると同時に、議席を死守するか民主党の選挙区を奪取できる一部の候補に資源を集中させ、民主党の議席拡大を全体として抑えようとする試みでもある。選挙分析サイト「クック・ポリティカル・リポート」は9日、下院の18選挙区について、民主党優勢と評価を変更し、共和党にさらなる打撃を与えた。この中にはアイオワ、ペンシルベニア、ワシントンの各州にある、拮抗(きっこう)していた5議席が含まれる。上院選の情勢にも共和党が安心できる材料はほとんどない。パクストン氏は非公開の資金調達イベントで録音された不利な音声が次々と流出する事態に見舞われており、以前から同氏の選挙運動の進め方がまずいと考えていた共和党関係者をいらだたせている。事情に詳しい関係者らによると、ホワイトハウス内部ではトランプ氏と側近らが下院の過半数維持が難しいことや、上院の過半数を失う恐れが高まっていることを冷静に認識しているという。それでも、共和党が敗北を最小限に抑え、「ブルーウェーブ(民主党の圧勝)」をさざ波程度にとどめられるとの楽観論は残っている。トランプ氏の顧問らは、放映される広告が増え、これまで選挙への関心が薄かった共和党支持層が注目し始めるにつれ、選挙戦の最終盤には激戦区の世論調査の差が縮まると予想している。トランプ氏は、自身の経済政策に不満を抱き、イラン戦争に反対する国民が大多数を占める中、自身の存在がどこででもプラスになるわけではないことを暗黙のうちに認めている。ホワイトハウス当局者によると、トランプ氏は戦争や関税政策で自身と異なる立場を取る共和党候補を非難せずにいる。候補者は「選挙戦を戦う必要がある」と理解しているためだという。ただし、こうした共和党候補も通常は事前にホワイトハウスの了承を得ている。とはいえ、ホワイトハウス復帰以降、トランプ氏が政治情勢に及ぼしてきた強い影響力から完全に逃れられる共和党候補がいるとはほとんど考えられていない。共和党の結束を約2年間にわたって求めてきたトランプ氏の顧問らは、選挙戦最後の数週間に共和党候補が望みをつなぐ最善の方法について、自分たちが議会でもう1期務めるべき理由を自身で訴えることだと助言している。そして何より重要なのは、当選したら有権者の不満を和らげるために何をするつもりなのかを示すことだと。

トランプ氏の顧問は「今は各候補が個別に戦っている」と語った。「双方にとって厳しい状況で、最後は一騎打ちになる」

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