木下康介2発の広島、4-0完勝で3位浮上!! 中村草太4戦連続アシスト、19歳MF中島洋太朗も復帰戦で圧巻スルーパス
J1リーグは22日、第21節を各地で行い、サンフレッチェ広島が横浜FCを4-0で破った。風上を活かしたハイボール攻勢で前半のうちに3ゴールを奪うと、後半も負傷明けの19歳MF中島洋太朗の圧巻スルーパスで追加点。今節は上位陣が揃って勝ち点を落としたため、広島は3位に浮上し、1試合未消化にして首位・鹿島と勝ち点5差、2位・柏と同2差に詰め寄った。
ホームの横浜FCは正GKを務めていたGK市川暉記がベンチ外。GKフェリペ・メギオラーロが奇しくも前半戦の広島戦に続いて今季2試合目の出場となった。対する広島はDF塩谷司がベンチから外れ、DF新井直人が右ウイングバックで先発。DF中野就斗が右CBに回った。またFW加藤陸次樹も出場停止明けで先発復帰となった。[スタメン&布陣]
試合は前半4分、広島がファーストチャンスを迎えた。MF東俊希のスルーパスに加藤が抜け出し、右足シュート。だが、これはメギオラーロの正面を突いた。一方の横浜FCは前半9分、DF福森晃斗のFKにMFユーリ・ララが惜しいヘディングシュート。これ以降は最前線でFW鈴木武蔵が何度も起点を作り、広島の3バックを苦しめていた。
それでも前半17分、風上に慣れ始めた広島が先手を取った。左CKを新井がゴール前に蹴り込み、風に乗ったボールがファーサイドに流れると、これにFW木下康介が反応。力強いヘディングシュートをゴールに押し込んだ。今夏、柏から加入した木下はこれが移籍後初ゴール。中高時代を過ごした横浜FCを相手に今季4点目を決めた。
さらに広島は前半19分、東の右CKからDF荒木隼人が惜しいヘディングシュートを放つと、同22分に突き放した。GK大迫敬介が力強いロングキックを敵陣深くに送り込み、これがDF福森晃斗のクリアミスを誘うと、そこに抜け目なく走り込んでいたのは加藤。冷静なシュートでGKとの1対1を制し、2-0とした。加藤は天皇杯も含む2試合の出場停止明け。禊の今季2ゴール目となった。
なおも攻める広島は前半38分、カウンターから中村が左サイドを駆け上がり、冷静な横パスにMF川辺駿が反応。ダイレクトのミドルシュートがゴール右上を襲ったが、メギオラーロのスーパーセーブに阻まれた。それでも直後のCKから人数をかけて攻め込み、中村が右足ダイレクトでエリア内に浮き球を送り込むと、これに走り込んだ新井がヘディングでゴール。副審はオフサイドを宣言したが、VARで判定が覆り、3-0となった。中村は4試合連続のアシストとなった。
そのまま迎えた後半は横浜FCが一気に3枚替えを実施。MF新保海鈴、MF駒井善成、FWルキアンに代わってMF村田透馬、FW櫻川ソロモン、FW室井彗佑が入った。すると風の影響もあって横浜FCが優勢に転じると、後半16分に福森の右CKからビッグチャンス。ユーリ・ララのヘッドはバーを叩くと、跳ね返りを拾ったDFンドカ・ボニフェイスのシュートは中野にブロックされた後、ポストに弾かれ、ゴールを破ることはできなかった。
横浜FMは後半21分、広島ユース出身のMF山根永遠に代わって桐蔭学園大出身ルーキーのMF遠藤貴成を投入。遠藤は前節・川崎F戦のJ1デビューに続いて2試合連続で出番を得た。一方の広島は同29分、東に代わって19歳のMF中島洋太朗を投入。中島は左膝外側半月板の手術から2か月半ぶりの復帰戦となった。
すると直後の後半30分、中島は中盤のスペースに顔を出してパスを受けると、ファーストプレーから右足アウトサイドのトリッキーなスルーパスを配球。これに抜け出した木下がシュートを狙うと、一度はメギオラーロに阻まれたが、跳ね返りを木下が押し込んで4-0とした。中島は惜しくもアシストとはならなかったが、ワンプレーで結果を出した。 その後は広島が落ち着いて試合を進めるなか、横浜FCは遠藤の突破力で活路を見出すが、ゴールにはつながらない。そのまま試合はタイムアップ。広島がJ1リーグ戦では3試合ぶりの白星を挙げ、首位追走をスタートした。 (取材・文 竹内達也)●2025シーズンJリーグ特集▶お笑いコンビ・ヤーレンズのサッカー番組がスタート!