「20歳若返った」医師が教える、健康に長生きするためにできる6つのこと
マイケル・ロイゼン博士は、脳の健康のためにゲームすることや、マルチビタミンの摂取など、長生きするためにできることを紹介した。
Dr. Michael Roizen/Getty
- マイケル・ロイゼン博士は、自身を20歳若返らせたと話す、健康・長寿のエキスパートだ。
- 長生きのために最低限できることがいくつかあると彼は語った。
- 例えば、ワクチンの接種や脳を使うゲーム、サーモンの摂取などがある。
健康のための時間を作ることは難しい。だが、20歳若返ったと話す医師は、6つのベーシックなことにフォーカスすることで、長生きのために健康の維持に役立つと考えている。
クリーブランド・クリニックのチーフ・ウェルネス・オフィサーで、78歳のマイケル・ロイゼン(Michael Roizen)博士は、臓器の健康状態と慢性疾患のリスクに基づくと、彼の生物学的な年齢は57.6歳であるとBusiness Insiderに語った(生物学的年齢や測定方法について合意された定義はない)。
ロイゼンは、可能な限り健康的に長生きするのに役立つ生活習慣を見つけることに精通している。だが、ライフスタイルの見直しができなくても、長生きのために大きな違いをもたらす、簡単にできることがあると語る。
長生きのために誰もが行うべきであると彼が考える6つのことを紹介しよう。
多く歩く
ロイゼンは、毎週行う運動ルーチンの一環で1日1万歩を歩くようにしており、みんな「あと少しだけ多く」歩くべきと話している。
彼は通勤時間にこの運動を追加するために、例えば、職場からできるだけ遠くに駐車して歩くという。
1万歩(これはマーケティングから生まれた数字だが)より少なくてもメリットがある。イギリスのケンブリッジ大学の研究者が行った2023年の研究で、週に75分間早歩きした人は心血管疾患やがんによる死亡リスクが低いことがわかった。
アボカド、サーモン、オリーブオイルを摂取する
ロイゼンが長生きのために食べている7つの食品を、以前Business Insiderでは紹介した。だがそのうち、アボカド、サーモン、オリーブオイルの3つだけを食べることでも、健康のメリットがあるという。これらは心臓血管疾患のリスクを下げることが研究でわかっている。
強固な人間関係を築く
友情を育むことは、健康と寿命を大きく伸ばす「楽しい方法」だとロイゼンは語った。そして、「何かをするなら他の人と一緒にやる方がいい」と付け加えた。
トリニティ・カレッジ・ダブリンのThe Irish Longitudinal Studyの主任研究員を務める、老化についての専門家であるローズ・アン・ケニー(Rose Anne Kenny)教授は、社会的に強い関係を持つことは、健康的な食事や十分な運動と同じように長寿に関して重要だと語ったことを、以前Business Insiderでは紹介した。
処理速度を競うゲームをする
処理速度を競うゲームをすることは脳の健康にいいとロイゼン博士は述べている。
Witthaya Prasongsin/Getty Images
ロイゼンは処理速度を競うゲームで遊ぶことをすすめた。これは脳を鍛えるタイプのゲームで、脳の処理速度を改善することが研究で示唆されている。ロイゼンは「Double Decision」と「Freeze Frame」の2つを勧めている。
ロイゼンは、「アルツハイマーと認知症(Alzheimer's & Dementia)」で2017年に発表された研究を引用して、このようなゲームのプレイは認知症のリスクを軽減する可能性があると語った。その研究では、最初の6週間でこれらのゲームを10回プレイした高齢者に、11カ月後と35カ月後に追加のセッションを行ったところ、10年後の認知症のリスクが29%も下がったことがわかった。
ロイゼンは、この研究結果を再現するため、これらのゲームを週に2時間、5週間プレイすることをすすめた。
マルチビタミンを摂取する
マルチビタミンの摂取が長寿のためになるのか、研究結果はさまざまだ。
マルチビタミンを何年も摂取した人は、がん、心血管疾患、認知症のリスクが下がったという研究をロイゼンは引用した。
だが最新の研究で、最近の研究では、これらの知見は必ずしもマルチビタミンの有効性を示すものではないことが示唆されている。例えば、「JAMA Network Open」に2024年初めに掲載された、39万人以上の大規模研究で、マルチビタミンの摂取が長寿とは関連性がないことがわかった。そして、アメリカ予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force)は、メリットを示す十分なエビデンスがないため、マルチビタミンの摂取について一般的に推奨していない。
ロイゼンは体内のビタミンレベル全体を安定させるために、マルチビタミンを飲んでいると話した。
インフルエンザのワクチンを打つ
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、生後6カ月以上の人は誰でも毎シーズン、インフルエンザのワクチンを打つことを勧めている。
だがロイゼンは、健康的に年齢を重ねることに役立つ可能性があるとして、ワクチンを接種している。Ageing Research Reviewsに2022年に掲載された研究のレビューで、高齢者がインフルエンザのワクチンを打つことが、脳の炎症が軽減されるため、認知症予防につながる可能性があることが示唆されている。