1985年の発掘から40年間保管されていた化石が「南極で見つかった初の恐竜の化石」だったことが判明

サイエンス

南極はかつて熱帯雨林が存在するほど温暖な気候だったことが知られており、さまざまな動植物が生息していました。新たな調査により、1985年に南極半島の北東にあるジェイムズ・ロス島で発掘されてから40年間にわたりコレクションとして眠っていた化石が、「南極で見つかった初の恐竜の化石」だったことが判明しました。

A titanosaurian sauropod dinosaur from the Upper Cretaceous of Antarctica - Acta Palaeontologica Polonica

https://www.app.pan.pl/article/item/app013152025.html

Antarctica's first dinosaur fossil confirmed from 1985 Antarctic expedition - British Antarctic Survey

https://www.bas.ac.uk/news/antarcticas-first-dinosaur-fossil-confirmed-from-1985-antarctic-expedition/

Two Scientists Found a Bone in Antarctica in 1985. It Took 41 Years to Realize What They'd Actually Discovered : ScienceAlert

https://www.sciencealert.com/fossil-kept-in-a-drawer-for-40-years-turns-out-to-be-antarcticas-first-evidence-of-dinosaurs 他の大陸に比べて南極大陸では恐竜の化石の発見数が少ないのですが、その理由は「過去の南極に恐竜の生息数が少なかった」からではなく、現代の南極の大部分が氷に覆われた過酷な環境であり、発掘作業を行うのが困難なためです。

記事作成時点までに南極で見つかった恐竜の種類はわずか12種で、いずれも南極大陸のカーク・パトリック山かジェイムズ・ロス島で見つかったものです。どちらも比較的氷が少なく、岩が露出した場所があるとのことで、これまでに南極で見つかった最古の恐竜化石も、1986年1月にジェイムズ・ロス島で発見されていました。

ところが新たな調査により、イギリス南極研究所の地質学者であったマイク・トムソン博士が1985年12月にジェイムズ・ロス島で発掘し、約40年間にわたりイギリス南極研究所の引き出しにしまわれていた化石が、「南極で見つかった初の恐竜化石」であることが判明しました。以下の動画を見ると、実際に南極で見つかった初の恐竜化石を確認できます。

Antarctica's first dinosaur fossil rediscovered after 40 years | British Antarctic Survey - YouTube

南極の地図が敷かれた台の上に、1個のゴツゴツした形状の化石が乗っています。

イギリス南極研究所の古生物学者であり、地質標本コレクションおよび研究室の責任者であるマーク・エバンス博士は、「これは恐竜の尾骨、つまり尾椎(脊椎動物の脊椎のうち尾側の末端を構成する部分)です。これは南極で発見されました」と述べています。

この化石は竜脚類に属するティタノサウルスという恐竜の一種だとのこと。竜脚類は長い首と尾、そしてがっしりした4本の脚が特徴の草食恐竜であり、中には全長30mを超えるものもいます。

しかし、この化石は竜脚類としてはかなり小さなものであり、体長6~7m程度の個体だったとみられます。

南極で見つかった初の恐竜化石の見た目はこんな感じ。

発掘者のトムソン氏は南極半島の年代を決定付けた人物だとのこと。

トムソン氏は1985年12月に、ジェイムズ・ロス島でこの化石を収集しました。

トムソン氏は発掘した化石について考察したノートを残しており、この中には「大型爬虫(はちゅう)類の脊椎」だろうと記されています。

トムソン氏はこれ以外にも海洋爬虫類や大きなサメ、貝類、アンモナイト、木の破片などの化石も発掘しており、大規模なコレクションの一部として保管したとのこと。

そして40年後、イギリス南極研究所のコレクションを調査していたエバンス氏は、この化石を目にしてティタノサウルス類の尾椎だと確信。ロンドン自然史博物館の研究員であり、ティタノサウルスのような草食恐竜の専門家であるポール・バレット教授に連絡を取り、この化石がティタノサウルス類のものであることを確認したというわけです。

今回の発見は、南アメリカを故郷とするティタノサウルス類がどのようなルートで他の大陸に分布したのかを知るための、新たな手がかりになるとのこと。エバンス氏は、南極大陸はティタノサウルス類がニュージーランドやオーストラリアまで移動するための、一種の回廊のような役割を果たしたと考えられると説明しました。

エバンス氏は南極での化石発掘が非常に過酷であることに触れ、「トムソン氏らには脱帽せざるを得ません。今のような最新設備がなかった時代にこのような仕事を成し遂げたのは、本当にすごい功績です。ですから40年後にこの化石に戻ってきて、どの恐竜のグループに属していたのかを特定できたのは素晴らしいことです。私たちは今、この化石が南極で見つかった最初の恐竜の化石であると理解しています」と述べました。

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