メタ株急伸、売上高が市場予想を上回る-広告事業堅調
米メタ・プラットフォームズが発表した1-3月(第1四半期)の売上高は市場予想を上回った。トランプ政権下で続く貿易戦争の影響を受けつつも、同社の広告事業が堅調に推移していることを示す結果となった。これを受け、米株式市場の時間外取引で同社の株価は一時6%を上回る伸びとなった。
4月30日の同社発表によると、1-3月の売上高は423億ドル(約6兆600億円)。アナリスト予想は414億ドルだった。1株利益も前年同期比37%増の6.43ドルと、アナリスト予想の平均(5.25ドル)を上回った。4-6月(第2四半期)売上高についてはアナリスト予想と一致する見通しを示した。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は決算発表後の電話会見で「われわれは、マクロ経済の不確実性にうまく対応できる体制を整えている」と投資家に語った。
メタは同社の将来を担う人工知能(AI)分野への投資を支えるため広告事業の成長を維持する必要がある。広告収入は同社の売上高全体の98%を占める。
同社はオープンAIやアルファベット傘下のグーグルに後れを取らないよう大規模言語モデルや対話型AIの開発に巨額の投資を続けており、年間の設備投資見通しを従来の600億-650億ドルから640億-720億ドルに引き上げた。この変更は、「AI関連の取り組みを支えるためのデータセンターへの追加投資と、インフラ関連ハードウエアのコスト上昇見通し」が反映されていると同社は説明した。
ザックス・インベストメント・リサーチの株式ストラテジスト、アンドルー・ロッコ氏は「多くの企業が関税を巡る懸念や不透明なマクロ経済環境を理由に業績見通しの提示を控える中で、メタが示したことは強気のサインだ」と指摘。また、設備投資見通しを引き上げたことはAI業界全体にとって前向きな材料だと評価した。
同社は前日、対話型AIアプリ「Meta AI(メタAI)」の単体での提供を発表していた。オープンAIの対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」などに対抗する構えだ。
関連記事:メタ、対話型AIアプリを単体で提供-音声機能などでChatGPTに対抗
原題:Meta Jumps As Advertising, AI Spending Defy Tariff Concerns (3)、Meta Revenue Beats Estimates on Advertising Stability (2)、Meta Quarterly Revenue Beats Estimates on Advertising Stability(抜粋)