米国防総省、米軍基地で銃乱射した元軍医の銃殺刑執行をライブ配信の方針
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2009年に米軍基地で銃を乱射して13人を殺害し、殺人罪などで死刑判決を受けた元軍医の銃殺刑について、ピート・ヘグセス米国防長官は8日、刑の執行を一般市民が視聴できるように中継すると述べた。
国防総省当局者はBBCに対し、2009年にフォートフッド基地で非武装の米兵13人を射殺した元陸軍精神科医のニダル・ハサン死刑囚について、死刑執行はライブ配信されると述べた。同省は今週初め、ハサン被告を60年以上ぶりの軍事処刑として処刑すると発表していた。
ヘグセス長官は、「国民が確実に視聴できるように、公開で行うようにする」と発言。「こうした行為には重大な結果が伴うと、人は理解する必要があるからだ」と述べた。
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ヘグセス長官は保守系テレビ局「リアル・アメリカズ・ヴォイス」のインタビューで、死刑囚は「銃殺隊の兵によって処刑される。そうあるべきだから」と述べた。
ハサン死刑囚が最後の嘆願をしたり、ドナルド・トランプ大統領に連絡をとろうとしたりしたかと質問されると、ヘグセス氏は「どうでもいい。(死刑囚には)12月3日に会う」と答えた。
国防総省のショーン・パーネル報道官は5日、ハサン死刑囚を銃殺刑にすべきだとヘグセス長官が進言し、トランプ大統領がそれを承認したとソーシャルメディアで発表していた。
BBCは、公開処刑のライブ配信をトランプ大統領が支持しているかどうかについて、ホワイトハウスにコメントを求めた。
米陸軍長官は6日、死刑執行は12月3日にテキサス州フォートフッドで行われると発表した。これは第2次世界大戦が終わって以降初の、銃殺による軍事処刑となる。
ハサン死刑囚はヴァージニア州出身の元米陸軍精神科医。戦闘以外での米軍基地に対する攻撃としては史上最多の犠牲者を出した銃撃事件について、自分が実行犯だと法廷で認めた。
フォートフッド基地での銃乱射は2009年11月5日、混雑した医療施設内で起きた。そこでは、国外へ派遣される兵士たちが健康診断やワクチン接種を待っていた。
ハサン死刑囚は法廷で「すべての過ち」について謝罪した。2013年の軍法会議では、犯行の動機として、自分はアフガニスタンのイスラム教徒と武装勢力タリバンを守っているつもりだったと供述した。
死刑囚の弁護を担当するジョン・ミルズ弁護士は、公開処刑の前例は現代にはないと批判。「グロテスクな見せ物になるよう、仕組まれているように思える」と述べた。
「現代において前例のない決定で、それだけに法的な根拠も不確かだ」と付け加えた。
米軍の統一軍事法典は、軍人の処刑にはアメリカ大統領の承認が必要と定めている。さらに、軍法会議が下した死刑判決を執行するには、軍法上訴裁判所が判決を審査し、刑の合法性について最終判断を下す必要がある。
ミルズ弁護士によると、ハサン死刑囚の上訴手続きはまだ終わっていない。さらに、有罪判決と量刑について、連邦裁判所で再審を請求する方針だという。再審が認められれば、死刑執行は停止される可能性がある。
弁護士はこのため、実際に12月に死刑が執行されるとは思っていないと話した。
「銃殺刑をライブ配信しようとするのは、トランプ政権がただ単に注目を集めようとしているだけだ。実現する可能性は低く、ましてや正義の実現など到底あり得ない」と弁護士は述べた。
アメリカでは、死刑の執行に一般市民の立ち合いを義務付けている州もある。多くの州ではジャーナリストの立ち会いが義務付けられているほか、死刑囚自身が立会人を招待することもできる。また、一般市民が証人として志願することを認めている州もある。
しかし、「これまで死刑執行がライブ配信されたことは一度もない」と、アメリカの死刑執行方法を研究している米フォーダム大学のデボラ・デノ法学教授は話す。
教授は、死刑執行のライブ配信は「この国ではおそらくこれまで見たことのないレベルの、透明性を強いることになる」と指摘。
「死刑制度を支持する国民は減りつつあるが、それでも半数以上が死刑制度の維持を支持している。それだけに、『死刑制度が欲しいなら、この国で死刑がどうやって執行されるかを見せてあげよう』という、言い分も成り立つかもしれない。そして、実際には何がどう行われているのか、多くの人が無視している実態を、国民はありのままに認識せざるを得なくなる」
銃殺刑をライブ配信する場合、視聴に年齢制限が設けられるのか、視聴を可能にするオンラインプラットフォームのポリシーに違反するかどうかなど、重要な考慮事項があると、デノ教授は指摘する。
死刑執行のライブ配信がどこで視聴できるようになるかは、わかっていない。ほとんどの主要ソーシャルメディアプラットフォームは規約で、露骨なコンテンツのライブ配信を禁止または制限している。
昨年は世界の17カ国で2700件以上の死刑執行があったが、公開したのは2カ国だけだった。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによると、2025年にイランで11件の公開処刑が行われ、アフガニスタンでも6件の公開処刑が行われたことが確認されている。
同団体のデータによると、昨年最も多く死刑を執行した国は、中国、イラン、サウジアラビア、イエメン、アメリカの順だった。
トランプ氏はこれまで公の場で公開処刑を主張したことはないが、死刑制度そのものは長年支持してきた。例えば1989年には米紙ニューヨーク・タイムズに、「セントラルパーク5人組」(レイプと暴行の罪で有罪判決を受けたが、後に無罪となった)の処刑を求める大きな広告を掲載した。
他方、トランプ氏はかつてイランの公開処刑を非難していた。今年2月末のイラン攻撃開始に先立ち、イラン政府が抗議デモ参加者を殺そうとしているとして、それを軍事介入の正当化理由の一つとして挙げていた。
アメリカの連邦政府は、2020年まで17年間、死刑を執行していなかったが、トランプ第1次政権の終盤、2020年7月から2021年1月の半年間で、連邦当局の管轄下の死刑囚13人に刑を執行した。
2021年1月に発足したジョー・バイデン政権は連邦政府による死刑執行を一時停止したが、トランプ氏は昨年1月に再び大統領になると、「公共の安全を守る」ため死刑制度を「復活」させるという大統領令に直ちに署名した。
アメリカで最後に軍人が処刑されたのは1961年で、11歳のオーストリア人少女をレイプした罪で有罪判決を受けた米陸軍兵士が絞首刑に処された。当時のドワイト・D・アイゼンハワー大統領が刑の執行を承認した。被害者の家族が後任のジョン・F・ケネディ大統領に恩赦を求めたが、死刑は実行された。
アメリカで軍人が最後に銃殺隊によって処刑されたのは1945年1月のことで、第2次世界大戦末期に脱走の罪でエディ・スロヴィック陸軍兵が銃殺された。