[MOM5001]東北学院GK橋本脩礼(3年)_GK父子鷹、その壁を越えるための選手権
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ Sponsored by アディダス ジャパン] [12.31 選手権2回戦 東北学院高 1-0 滝川二高 ニッパツ]
猛攻撃を浴びながらも、ゴールラインを割らせなかった。東北学院高GK橋本脩礼(3年=東北学院中)は「ボコボコにやられているときもDFラインとGKで守り切るのが学院の強み。こういう強みが出た試合で勝てたことはうれしい」と喜びを語った。
公式記録上で東北学院はシュート3本に対し、滝川二に打たれたシュートは13本だった。前半23分のデザインされたFK、28分に相手の司令塔が作った決定機、38分の守備陣のミスを突かれたピンチ。いずれも橋本が抜群の読みと鋭い反応で阻んだ。 後半31分に東北学院はセットプレーから先制に成功。追う側に回った滝川二の攻勢はさらに強まった。残り5分になると、ボールはほとんど東北学院の自陣内。混戦からゴールラインに迫るボールも最後は橋本がすべて防ぎ切った。 「サンドバック状態で対応するのは僕の強み」。そう語る橋本はチームの勝利を強調する。「僕を始めとしてみんなボールへの執着心がすごい。中高一貫校なので中学生のときから防戦一方で勝ってきた。みんな昔から意識しているし、僕が前に出たらカバーに入ることはチームとして一貫している」。37年ぶりとなった選手権の舞台で躍進は続く。 橋本の父は、東北学院を率いる橋本俊一監督だ。現役時代はGKだった父は比較されがちな存在でもあり、橋本も「こうやって無失点で抑えたときは(息子でなく)脩礼として取り上げてほしい」と笑う。地元・宮城では選手としても指揮官としても名の通る父をしり目に、「橋本というと宮城では僕よりお父さん。橋本は『脩礼』と推していきたい」と力を込めた。 橋本は父の背中を見てサッカーを始めた。橋本監督自身もOBであるスポーツ少年団『S・KSC』に入ると、父も教わっていたという指揮官から「橋本(俊一監督)もGKだったんだから脩礼もGKをやってみたら」と薦められた。当時も今もGKの魅力は変わらない。 「そのときはポジションにこだわりはなかったけど、やればやるほどGKの楽しさを見つけていたので、今もできている」(橋本)。今大会でも初戦・奈良育英戦で自陣から鋭いフィードを飛ばしてアシストを記録した。「(アシストで)攻撃の快感も知った。今日みたいな相手が悔しがるくらいの止め方をして勝つのも快感。次勝ったらどんだけ気持ちいいんだと思っている」。その向上心は今も高まり続ける。 橋本監督も息子の活躍に「頼もしく見えた」と称える。MVPを問われると、控えめに「脩礼じゃないですかね」と笑顔。「いつも以上にがんばっていた。でも自分のミスを自分で防いでいたり、自分で見せ場を作ってやっていたりもしていた」と指揮官としての厳格さと、父としての照れを出しながら、守護神の出来を評価する。監督就任から30年目で訪れた大舞台を息子と戦うことに、少なからずの喜びも垣間見せていた。 父という存在を、橋本は「みんなと同じお父さん。みんなが尊敬しているように、みんな嫌なところがあるように、本当にそのまま」と説く。ただ、GKであり指揮官でもある。それは橋本にとって有難いことだという。「尊敬もしているけど越えたい壁でもある。そこを目標にしながら成長できる」。目指すは今大会で活躍して「名前を全国に知らしめる」。最終目標のプロ入りを目指し、今はがむしゃらに父の背中を追い続けていく。
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