強い経済PR→国債売り誘発 「骨太」2度修正した高市政権の誤算

経済プラス

毎日新聞 2026/7/21 19:00(最終更新 7/21 19:18) 有料記事 1782文字
経済財政諮問会議と日本成長戦略会議の合同会議で発言する高市早苗首相(中央)。手前は城内実経済財政担当相=首相官邸で2026年7月21日午前11時6分、平田明浩撮影

 高市早苗政権初の「骨太の方針」は、検討段階から金融・財政など政府のマクロ経済運営に対する不安を市場に抱かせ、「骨太ショック」と呼ばれる金利上昇を引き起こした。財政拡張への志向が鮮明な内容になっており、2027年度予算編成は波乱含みの展開となりそうだ。

 「財政の持続可能性と市場の信認確保にも十分配慮した経済財政運営を行ってきた。今回の骨太の方針の下、こうした方針を堅持する」。21日の経済財政諮問会議などの合同会議で、高市首相は市場との対話を重視する考えを強調した。

 背景には、骨太の方針の策定を巡り市場が混乱したことがある。

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市場に波紋広げた原案

 「『強い経済』の実現に向けては、適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」。毎日新聞が6月27日に報道し、政府が30日に公表した骨太の方針の原案の表現に、市場で波紋が広がった。

 経済を冷ます可能性がある日銀の追加利上げを、高市政権がけん制していると受け止められたためだ。

 利上げが遅れ、物価上昇(インフレ)が加速するリスクがあるとの懸念から、市場では国債を売る動きが活発化。長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは急上昇(債券価格は下落)した。

 原案は01年に骨太の方針の策定が始まって以来初めて「財政健全化」の文言を削るなど、財政軽視とも指摘される高市政権の姿勢がにじみ出る内容。利上げけん制に加え、財政悪化に対する懸念が、投資家の国債売りを加速させた。

 骨太ショックを受け、政府は今月7日、慌てて修正案を与党に示した。日銀本来の使命である「安定的な物価上昇」の文言を加筆することで、「強い経済」と同時に、従来の「物価安定」の実現も重要とのメッセージを込めた。

 それでも「高市政権が日銀の独立性を脅かすのでは」(証券エコノミスト)との疑いは晴れず、金利上昇は収まらなかった。9日の東京債券市場で、長期金利は一時2・900%と約30年ぶりの高水準に達した。

再修正で「火消し」を図るも…

 しびれを切らしたのが片山さつき財務相だ。

 10日の閣議後記者会見で、「骨太ショックとして報じられているのは事実。与党で調整している」と再修正を明言。「金融政策の具体的な手法は、日銀法3条に基づき日銀に委ねられるべきだ。こうした政府の立場が信用されていることが大事だ」と火消しに走った。

 日銀法3…

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