愛子さまは「タブー」政府20年間議論せず 高市首相は「女系天皇」に反対で「女性天皇論」の現在地は

伊勢神宮参拝:2024年3月26日、愛子さまにとって初の単独地方訪問。学習院大学卒業と日本赤十字社への就職を報告された この記事の写真をすべて見る

「愛子天皇論」が盛り上がりを見せている。皇位継承は「男系の男子」と定める皇室典範が改正され、「女性天皇」は実現するのか。AERA 2026年1月12日号より。

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 皇室典範は、皇位は「男系の男子」が継承すると定めている。現在、皇位継承権を持つのは、継承順に秋篠宮さま(60)、昨年成年式を終えたばかりの悠仁さま(19)、そして上皇さまの弟である常陸宮さま(90)の3人だけ。愛子さま秋篠宮家の次女佳子さま(31)ら未婚の皇族女子5人は「結婚によって皇室を離れる」と定められている。

「愛子天皇論」が盛り上がるなか、皇室典範が改正され、「女性天皇」への道が開かれる可能性はあるのだろうか。

 04年、若い世代の男性皇族の不在に危機感が強まり、小泉内閣は「皇室典範に関する有識者会議」を設置。「女性、女系天皇を認める。皇位継承は長子優先」の方向で審議が始まろうとしていたが、06年に悠仁さまが誕生すると立ち消えに。以降、皇位継承問題に触れないことを前提に、政府の議論は進められてきた。

 有識者会議にかかわってきた人物は「愛子さまに関する話題は、ずっと『タブー』に近い雰囲気があった」とも振り返る。

 歴史上、女性天皇は10代8人。昨秋就任した高市早苗首相は「女性天皇」に賛成の立場だ。だが、「女系天皇には反対。男系男子の伝統を守るべき」という姿勢を鮮明にしている。つまり、高市首相は、男系(父方が天皇の血を引く)としての「愛子天皇」は容認。しかし、愛子さまが民間の男性と結婚して生まれた「女系(母方が天皇の血を引く)の天皇」が即位することには、反対とも解釈できる。

 多くの人が期待する「女性天皇論」に進展がないどころか、議論する土壌すら整っていないのが現状。実現は、早くても悠仁さまの次の世代となりそうだ。

立場不安定な女性皇族

 現在、皇室をめぐる議論の焦点は、緊急性の高い「皇族数の確保」だ。各党は「女性皇族が結婚後も皇室に残る案」におおむね賛同している。

 25年9月末には、故・寛仁親王の長女である彬子女王(44)が三笠宮家当主になることが決定。未婚の皇族女子が皇室で足元を固める第一歩となった。しかし、「女性皇族が結婚後も皇室に残る」制度はまだ実現していない。彬子さまも、結婚すれば皇籍を離れなければならないことに変わりはない。

 議論が停滞する一方、愛子さまへの期待は日に日に熱を帯びている。同時に、皇族の減少という皇室の危機も一日また一日と高まっている。

(編集部・永井貴子)

那須でご静養:2024年9月、ご一家の静養先の那須御用邸(栃木県那須町)に就職後初めて訪れた愛子さま。天皇陛下の顔の周囲に飛んでいた虫をはらい、互いに笑顔を見せていた

AERA 2026年1月12日号

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