《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評(NEWSポストセブン)
首相が退陣を表明した翌8日には早くも茂木敏充・前幹事長が立候補の意向を表明し、先陣を切った。茂木氏は「私のすべてをこの国に捧げたい」と並々ならぬ意欲を示している。続いて8日夕方には林芳正・官房長官が出馬する意向を固めたことが報じられた。総裁選の顔ぶれはどのようになるのだろうか。 全国紙政治部記者はこう話す。 「茂木氏はいの一番に名乗りを上げましたが、本命は小泉進次郎・農水相と高市早苗・前経済安全保障相とみられています。小泉氏は圧倒的な知名度を誇り、高市氏は前回の総裁選で決選投票まで進んでいます。この2人が軸になるとみていいでしょう。 小泉氏の強みは抜群の知名度と発信力。『令和の米騒動』といわれた米価の高騰では、農水相として備蓄米の放出という大胆な対策を打ち出し、『進次郎米』という言葉も生まれたほどです。JAの反発など批判もありましたが、スピード感や実行力という意味では一定の評価を受けています。 高市氏は党内でも特に保守色の強い政治家として知られ、毎年欠かさず行う靖国神社への参拝はライフワークともいわれています。だからこそ、保守層からの支持が厚く、石破政権で流動化した保守層からの支持回復を期待する声もあります」 一方、両氏には課題も多い。自民党関係者はこう説明する。
「小泉氏といえば、環境相時代に『気候変動問題をセクシーに』と発言した時のように、国民からも党内関係者からも、『進次郎構文』と発言が揶揄されることが多い。 国会改革を盛んに唱えていた時期もありましたが、当時の国対幹部は『一度でも国対をやってから物を言え』と不快感を示していました。その後、国対副委員長を務めたことで幾分か評価もされましたが、すぐにパフォーマンスに走り“中身の薄さ”が目立ってしまっている。それはいかんともしがたい」 しかしながら、それでも党内には小泉氏を推す声は多い。 「小泉氏は菅義偉・副総裁との関係も良好で、総裁選の出馬に必要な20人の推薦人集めに苦労はしないでしょう」 一方で、高市氏には総裁選前から暗雲が漂っているのだ。 「石破首相は『党内基盤が弱い』『人望がない』などと言われていましたが、高市氏も党内からの人望という面で言えば……。前々回の総裁選のときは、政策へのこだわりが強く、一人で夜中まで政策に手を入れていたようです。見かねたベテランが、『細かいところは他の人に任せて、候補者本人は若手を飲みに連れていくなり、仲間づくりを優先した方がいい』とアドバイスしたそうですが、あまり耳を貸さなかったようです」 別の自民党関係者はこう危惧してもいる。 「高市氏が総裁になれば、参政党の躍進にも繋がった保守層が自民支持に帰ってくることも期待できます。ただ、右過ぎて、何をするかわからないという恐怖も党内では根強いんです。参政党と連立なんてことも言いかねないですから(苦笑)」 自民・公明両党は衆参両院で過半数割れの少数与党となっており、次期総裁には難しい国会の舵取りが求められる。“進次郎構文”の「小泉総裁」か、“右過ぎる”「高市総裁」か──日本の未来はどこへ向かっていくのだろうか。