松下洸平&松下優也「ライバルと言うよりは相棒」 世界初演ミュージカル『ケイン&アベル』が開幕

ミュージカル『ケイン&アベル』開幕記念会見より

ミュージカル『ケイン&アベル』(読み:けいんとあべる)が1月22日、東京・東急シアターオーブで開幕した。イギリスの国民的作家であるジェフリー・アーチャーのベストセラー小説『ケインとアベル』を原作とした東宝ミュージカルの最新作で、世界初演のオリジナルミュージカルとして上演。主演を務める松下洸平、そのライバルを演じる松下優也、咲妃みゆ、知念里奈、愛加あゆ、益岡徹、山口祐一郎が初日を迎えた心境と、手応えを語った。

左から)松下洸平、松下優也
左から)山口祐一郎、益岡徹
左から)愛加あゆ、知念里奈、咲妃みゆ

松下洸平が銀行家の父の跡を継ぐという、将来を約束されたボストン生まれのウィリアム・ケイン役を、松下優也がケインと同じ日に生まれ、ポーランドの山奥で過酷な幼少期を過ごしたアベル・ロスノフスキ役をそれぞれ演じる。

東宝ミュージカル初主演となる松下洸平は「思ったよりも緊張せず、リラックスして舞台に臨めた。お客様がいてくださることが、安心につながり、充実した初日を迎えられた」と安堵の表情。見どころは「とてもフレッシュなところ」だといい、「長い歴史を背負った作品の素晴らしさはもちろん、長く愛されるミュージカルが数多くあるなかで、我々が今やっていることは、誰も見たことがない、やったことがないこと。すごく新鮮です」と、世界初演の挑戦に胸を張った。

一方、松下優也は「まずはホッとしています」と無事に幕が上がったことに、胸をなでおろし、「割と喜怒哀楽が激しいタイプで、新作の稽古後半はやることも多くなり、切羽詰まるんですが、隣に洸平君がいてくれたおかげで、平穏な気持ちで過ごせた。最高の存在です」と感謝を伝えていた。

ダニエル・ゴールドスタインによる演出のもと、約1ヶ月半に及ぶ稽古が進められ、松下洸平は「言葉の壁があるかと思っていたが、言葉を超えたところで繋がれたと感じることが多かった」と振り返る。「たくさんの人たちが、情熱やパッションをもって接してくださったので、言葉以上に受け取るものがありました」と、学びの大きな稽古だったと明かした。

稽古については、松下優也も「今回は全員、シングルキャストなので、メンタルも含めて、支え合いでしか乗り越えられないと思った。自分だけが頑張っても、たどり着けない場所なので、稽古場で洸平君が寄り添ってくれた」と改めて謝意。劇中ではライバル関係にあるが、「ライバルと言うよりは相棒」だと全幅の信頼を寄せていた。

それだけに、お互いへの敬意は以前にも増して強くなったそうで、「尊敬できるところは、数えきれないくらいあります。びっくりしたのは、ずっと練習しているんですよ。こんな研究熱心で努力家な役者は、なかなかいない」(松下洸平)、「すごく周りを見ていますよね。やることが多いにも関わらず、他人のお芝居もしっかり見ていて。他の撮影もあったりするのに、常に冷静で」(松下優也)と、賞賛の言葉を贈り合った。

取材・文・撮影:内田涼

<公演情報> ミュージカル『ケイン&アベル』

原作:ジェフリー・アーチャー 音楽:フランク・ワイルドホーン 歌詞:ネイサン・タイセン 編曲:ジェイソン・ハウランド 振付:ジェニファー・ウェーバー 脚本・演出:ダニエル・ゴールドスタイン 【配役・キャスト】 ウィリアム・ケイン:松下洸平 アベル・ロスノフスキ:松下優也 フロレンティナ:咲妃みゆ ザフィア:知念里奈 ケイト・ブルックス:愛加あゆ ジョージ・ノヴァク:上川一哉 マシュー・レスター:植原卓也 リチャード・ケイン:竹内將人 ヘンリー・オズボーン:今拓哉 アラン・ロイド:益岡徹 デイヴィス・リロイ:山口祐一郎 【東京公演】 日程:2025年1月22日(水)~2月16日(日) 会場:東急シアターオーブ 【大阪公演】 日程:2025年2月23日(日)~3月2日(日)

会場:新歌舞伎座

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