『ゼルダの伝説 時のオカリナ』にて、「あきビン」で”ボス戦を壊す”新バグ技が発見される。ガノンドロフは光の矢さえ不要
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(以下、時のオカリナ)において、新たなバグ技が発見された。RTA動画を投稿しているZFG氏がX(Twitter)にて報告しており、コミュニティでは複数カテゴリのスピードランにおいて、大きな影響が出ると話題を呼んでいる。
『時のオカリナ』は1998年にNINTENDO 64向けに発売された任天堂のアクションアドベンチャーゲーム、『ゼルダの伝説』シリーズの5作目だ。
過去の2D見下ろし視点(『リンクの冒険』に限り横スクロール視点)から3D視点へと転換した初の作品で、敵や特定の対象に狙いを付けながら行動できる「Z注目システム」、ジャンプなどの一部アクションの自動化など、当時の3Dアクションゲームとしては革新的な試みの数々が特徴で、以降の3Dの『ゼルダの伝説』における礎となった。2011年にはニンテンドー3DS向けにリメイク版『ゼルダの伝説 時のオカリナ3D』が発売。2026年にはNintendo Switch 2向けの新たなリメイク版が発売予定である。
『時のオカリナ』は長年にわたりRTAが実施され続けてきたタイトルでもあり、現在もAny%、全ダンジョン、100%クリアといった複数のカテゴリで最速タイムが競われている。今回発見されたバグは、通常なら必須となるアイテムを使うことなく特定のボスを倒せるというものになる。
Really cool new glitch in OoT was just found. Using a bottled item as a lingering hitbox is disappearing can cause the bottled item to overwrite damage values. 2 big uses so far are beating Volvagia without hammer, and Ganondorf without light arrows. pic.twitter.com/wSzFKBtAfQ
— ZFG (@zfg111) October 11, 2026
バグを使える場面としてはまず、炎の神殿のボス「ヴァルバジア」が挙げられた。ヴァルバジアは、戦闘フィールドの床にある計9つの穴から上半身を出し、口から炎を吐き出す瞬間にメガトンハンマーで頭を叩くことによって気絶し、その瞬間を狙って剣で斬るというのが正攻法となる。
また、ガノン城のボス「ガノンドロフ」も該当するという。ガノンドロフは魔法弾を剣などで跳ね返しながらラリーを続け、ガノンドロフ側がミスした瞬間に光の矢で射貫くと地面にひざまずいた状態になり、そこを狙って剣による攻撃を仕掛けるのが正攻法となっている。ちなみにガノンドロフは、ある程度ダメージを与えると両手を上に掲げた後、複数の魔法弾を撃ってくるが、この両手を掲げている時、ガノンドロフの胴体に光の矢を命中させてもひざまずいた状態にすることが可能である。
バグ技は、これら正攻法をスキップしてそれぞれのボスを倒すというものになっている。ZFG氏の動画で用いられているのは「パチンコ」、虫もしくは妖精入りの「あきビン」、そしてスティック入力発動の回転斬り(3Dスティックを1回転+Bボタン)。ヴァルバジアは穴から上半身を出した瞬間に攻撃を当てた直後、妖精入りのあきビンを使用。すると攻撃属性の情報が上書きされ、メガトンハンマーなしでヴァルバジアへのダメージチャンスを作りだせる。
ガノンドロフは魔法弾が命中した瞬間にパチンコを一発命中させ、即座に虫の入ったあきビンを使用。すると攻撃属性の情報が上書きされる。そこからジャンプ斬り1回+通常攻撃19回を命中させることで、光の矢を使用せずにガノンドロフを倒せる。なお、ガノンドロフ戦ではかねてより、魔法弾をあきビンで跳ね返すことができる仕様が知られていた。魔王がまたしてもあきビンに苦しめられるかたちだ。
なお、ZFG氏の動画では正規の進行ではほぼ不可能なこどもリンクの状態で挑んだものになっている。これは本編最初のダンジョンである「デクの樹サマ」からガノン城へワープするというバグ技を用いて実現したものと思われる(関連記事)。
ZFG氏によれば、この現象はボスのヒットボックス(当たり判定)が消えかける瞬間にあきビンに入ったアイテムを使うことで攻撃した属性の情報が上書きされて別攻撃の扱いになり、通常なら必要なアイテムを使わずにボスを倒すことができるという。ヴァルバジアにメガトンハンマー、ガノンドロフに光の矢とそれぞれダメージチャンスを作り出す効果が出るのはそのためのようだ。特に回転斬りと妖精入りのあきビンを使った方法は安定性が高いという。
『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』(NINTENDO 64 Nintendo Classics)よりさらに同様のバグ技は続編の『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』でも機能し、回転斬り使用後に水を入れたあきビンを使うことで爆発物がヒットした効果で上書きされるとのこと。
ただしZFG氏いわく、メモリの読み込みなどに関わることから、事前に特定の準備が必要になる場合もあるため、状況に大きく左右されるという。また一見有用に見えて、必ずしもすべてのRTAカテゴリに当てはまるとは限らず、簡単にタイムを短縮できるほど単純な話ではないとコミュニティでは指摘されている。
例えば全ダンジョンのカテゴリでは現在、「デクの樹サマの中」でのパチンコ入手と、「ドドンゴの洞窟」クリア後の回転斬りの習得工程をスキップするのがセオリーになっている。そのため、このバグ技を用いるとなれば、それらを含めなくてはならず、新しい工程を構築する必要があるというわけだ。
ZFG氏によれば、このバグ技が最も役立つカテゴリはクリアに必須なアイテムを入手した上でエンディングを迎える「No Wrong Warp」ではないかとのこと。とはいえ、バグの有用性もあってか、ほかのカテゴリに挑むプレイヤーの間ではパチンコを素早く入手するための方法の模索も始まっており、その進捗次第では何らかの影響が及びそうだ。
『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(NINTENDO 64 Nintendo Classics)よりなお、このバグ技はオリジナルのNINTENDO 64版のほか、『NINTENDO 64 Nintendo Classics』のバージョンでも動作するとの報告もあがっている。2002年発売の『ゼルダの伝説 風のタクト』の予約特典、クラブニンテンドー景品『ゼルダコレクション』収録のニンテンドーゲームキューブ版での動作については本稿執筆時点で確認されていないが、特定カテゴリに影響を及ぼすのは確実ともされるこのバグ技によって今後、どのような記録が生まれるのかは注目されるところである。
【UPDATE 2026/10/14 18:28】記事見出しおよび本文を調整
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれる場合があります。