〈石破首相が辞任の意向〉「次の首相」2000人アンケート トップ5の顔ぶれは? 2位高市早苗 1位は自民党への不信感の表れか
石破茂首相は7日、会見を開いて辞任の意向を示した。参院選の‟惨敗”から一カ月半、党内で高まる石破おろしの声に追い込まれたかっこうだ。これから自民党はどうなるのか。また次の首相には誰がふさわしいのか。ひと月前に実施したWebアンケートの結果を、今後の政局を占う材料として再び紹介する(※この記事は、8月3日に配信した内容の再掲載です。すべての情報は配信当時のままです)。
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石破茂首相に退陣を迫る勢力と、続投の意向を貫く首相――7月の参院選など直近の選挙での惨敗を受け、自民党が揺れに揺れている。そこでAERAは、誰が次の首相にふさわしいのか、読者へのアンケートを行い、約2000件の回答を得た。【後編】では5位~1位にランクインした政治家を紹介する。
前編〈「次の首相」2000人アンケート トップ5入りを逃した大物政治家とは… 参政党・神谷代表は8位!<10位~6位>〉から続く
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アンケートは7月22日から27日に実施した。設問は2問で、「次の首相として誰がふさわしいと思うか」を選択式、「その政治家を選んだ理由」を記述式で尋ねた。AERAのメールマガジンなどを通じて回答を募ったところ、1937件の声が寄せられた。回答者の内訳は、男性が60.0%、女性が38.3%、その他/回答しないが1.7%だった。
5位(104票)は国民民主党の玉木雄一郎代表。国民民主党は7月の参院選で改選4議席から4倍以上となる17議席を獲得し、昨年10月の衆院選でも大幅に議席を伸ばした。石破政権が少数与党として苦境に陥る中、国会運営のキャスティングボードを握り、所得税の非課税枠である「年収103万円の壁」の引き上げを迫るなど存在感を示した。アンケートでも、
「今年度は103万円から160万円に引き上げされたことで、働く時間確保と所得税減税を実現したので今後もさらに期待したい」(60代/女性)
「真に国民のためを考えた政策の実行能力が一番高いと感じたから」(60代/男性)
などと、ここ1年弱の国会での実績が評価されていた。
また、元財務官僚でもある玉木代表に対して、「財政に精通し、財務省職員を服従させる能力がある」(70代以上/男性)と“打倒財務省”を期待する声も複数上がった。
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4位(128票)はれいわ新選組の山本太郎代表。れいわ新選組は昨年の衆院選でも今年7月の参院選でも議席を増やしているが、現状は衆院9議席、参院6議席と野党の中でも少数勢力だ。それでも山本代表のカリスマ性に惹かれている人は多く、
「知見、空気を読まない勇気、一貫性、人への気遣いができること、プレゼン力、全て一流」(40代/男性)
「勢いがある方に任せてみたい。現実味が薄いが国民の代弁者としてのスピーカーとしては優秀」(20代/男性)
などと、若年層からも支持を集めていた。また、
「能登の復興にただ一人頑張った政治家」(70代以上/男性)
「年末もYouTubeで低所得者向けに行政の相談窓口を紹介していました。いい人すぎます」(50代/女性)
と、被災者や社会的弱者に寄り添う姿勢に共感している人も少なくなかった。
次からはいよいよベスト3。
“コメ担当大臣”としての対応を評価
3位(147票)に入ったのは、自民党の小泉進次郎・農林水産相。爽やかなルックスや身のこなしで女性ファンが多く、報道各社の「首相になってほしい」ランキングではいつも名前が挙がる。44歳という年齢については、
「若さ見た目も大事」(70代以上/女性)
「いいかげん、若い人にやらせるべき!議員定年制も必要!」(70代以上/男性)
と、小泉氏の「若さ」に期待する声が多くみられた。
小泉氏と言えば、直近では深刻なコメ価格高騰への対応に奔走した。“コメ担当大臣”として備蓄米の大規模放出を指示し、その一挙手一投足に注目が集まった。
「米問題を積極的に解決しようという態度を評価します」(70代以上/男性)などその行動力やスピーディーな対応を認める声も多く集まった。
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その小泉氏を大きく引き離したのが、2位(447票)にランクインした自民党の高市早苗・前経済安全保障担当相だ。初の女性首相への期待もさることながら、故・安倍晋三元首相の後継者として“保守のスター”を待望する声が多く目についた。
「安倍さんの遺志を継げる人!」(60代/女性)
「日本の文化や伝統を守ってくれ、誇れる日本を取り戻してくれそうだから」(70代以上/男性)
「岸田と石破で離れた保守層を再び自民党に戻せるから」(60代/男性)
7月の参院選で、「日本人ファースト」をスローガンに反グローバリズムや愛国心の醸成を訴えた参政党が躍進したことも、高市氏には追い風となっているだろう。ハト派で知られる宏池会の岸田文雄前首相や、保守リベラルの立場をとる石破首相に、一部の自民党支持者が物足りなさを感じていることは、「今の自民党は、左寄りすぎる」(60代/女性)というコメントに如実に表れている。
5位に入った国民民主党の玉木代表が“打倒財務省”を期待されていることは前述したが、それと同じ現象が高市氏支持層にも見受けられ、
「財務省が嫌がる積極財政派だから」(60代/男性)
「積極財政で日本を立て直してほしい」(60代/男性)
といった声が散見された。高市氏は今年5月、石破首相が消費税減税に後ろ向きであることを受けて「かなりがっかりしている」と発言した。減税実現のために財務省にも物言える政治家として、高市氏を推す人が一定数いるようだ。