話題株ピックアップ【昼刊】:トレファク、アストロHD、アドテスト

トレファク <日足> 「株探」多機能チャートより
■ウィザス <9696>  3,220円  +477 円 (+17.4%)  11:30現在  ウィザス<9696>が急騰。9日の取引終了後、日本産業推進機構(NSSK)がウィザスに対し、TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買付価格は1株3237円で完全子会社化を目指す。ウィザスの株価はTOB価格にサヤ寄せする動きをみせている。買付予定数の下限は595万8100株(所有割合65.26%)で、上限は設定していない。買付期間は6月10日から7月22日まで。ウィザスは学習塾「第一ゼミナール」を展開。今回、TOBに賛同の意見を表明し、株主に応募を推奨した。同社を巡っては昨年12月、投資ファンドのスイスアジア・フィナンシャル・サービシズがファンドによる買収やMBO(経営陣が参加する買収)での株式の非公開化を提案したと報じられていた。スイスアジアは公開買付者との間で、応募契約を締結している。東京証券取引所は9日、ウィザスを監理銘柄(確認中)に指定した。

■西部技研 <6223>  1,615円  +76 円 (+4.9%)  11:30現在

 西部技研<6223>が急反発している。9日の取引終了後、中国子会社が電気自動車(EV)用リチウムイオン電池製造工場向けの大型案件を受注したと発表しており、これを好感した買いが流入している。今回受注したのは、インド大手車載電池メーカーのインド新工場向け有機溶剤回収装置で、受注金額は約10億6000万円。納入時期は25年12月期第4四半期から26年12月期第1四半期を予定しており、25年12月期分は業績予想に織り込み済みとしている。

■トレファク <3093>  1,873円  +82 円 (+4.6%)  11:30現在

 トレジャー・ファクトリー<3093>が4日ぶりに反発している。9日の取引終了後に発表した5月度の月次売上概況で既存店売上高が前年同月比5.2%増となり、45カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されている。不安定な天候が続いたものの、気温の上昇に伴い夏物衣料の販売が伸長したことや、白物家電の販売が伸びたことが寄与した。また、生活雑貨やホビー用品も堅調だった。なお、全店売上高は同13.3%増だった。

■アストロHD <186A>  714円  +30 円 (+4.4%)  11:30現在

 アストロスケールホールディングス<186A>が大幅続伸している。この日の寄り前、連結子会社が所属する国の政府から防衛関連契約を受注したと発表しており、好材料視されている。契約金額は3900万円で、その他の具体的な内容は非開示という。なお、業績に与える影響は軽微としている。

■アドバンテスト <6857>  8,657円  +343 円 (+4.1%)  11:30現在

 アドバンテスト<6857>が6連騰、東京エレクトロン<8035>も5日続伸と上値指向を強めているほか、ディスコ<6146>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連が軒並み買い優勢の展開となっている。ロンドンで閣僚級の米中貿易協議が行われるなか、中国はレアアースの輸出規制緩和、米国は半導体の輸出規制緩和に向けた動きが期待されている。前日の米国株市場では最先端半導体の輸出規制に何らかの低減措置がとられることへの期待から、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>などが買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇した。これを横目に東京市場でも半導体セクターへの投資資金還流が促されている。

■ELEMENTS <5246>  1,320円  +52 円 (+4.1%)  11:30現在

 ELEMENTS<5246>が大幅高で3日続伸している。この日寄り前に、個人認証事業における本人確認件数が25年11月期第2四半期(3~5月)に四半期として過去最高の1000万件(前年同期比約75%増)を突破したと発表しており、好材料視されている。ポラリファイの子会社化や、不正対策でニーズが高まる本人確認書類のICチップ対応機能の強化が導入拡大を促したという。また同社では、住所変更などの諸届対応や金融機関での継続的顧客管理、証券口座の不正ログイン対策などで今後も需要の拡大を見込む。

■JX金属 <5016>  766.1円  +18.2 円 (+2.4%)  11:30現在

 JX金属<5016>が続伸している。同社は9日、オーストラリアの鉱山会社RZリソーシズ社が権益の100%を所有し実現・開発可能性を調査・検証している鉱床の開発プロジェクトについて、権益の5%を取得する契約を締結したと発表しており、好材料視されている。段階的に合計2000万オーストラリアドル(約18億5000万円)を拠出して権益を取得する。また、追加拠出500万オーストラリアドル(約4億6000万円)及び権益転換付ローンとして500万オーストラリアドル(同)を拠出する可能性があるという。同プロジェクトは調査の結果、ジルコン、モナザイト、イルメナイト、ルチルなどのレアメタル・レアアースを含む多様な鉱物を長期にわたり確保できる有望な鉱山となる可能性があり、同社のフォーカス事業を支える原材料の長期安定確保につながると期待されているようだ。

■メニコン <7780>  1,053円  +22 円 (+2.1%)  11:30現在

 メニコン<7780>がしっかり。同社は10日、インドの眼科病院グループであるドクターアガルワルズ・アイ・ホスピタルと、近視進行抑制事業の研究・発展に向けたMOU(基本合意書)を締結したと発表。これを材料視した買いが株価を支援したようだ。取り組みの一環として、睡眠時に装着して視力を改善させる特殊なハードコンタクトレンズ「オルソケラトロジーレンズ」を用いて、インドの子どもを対象に近視進行抑制の効果と安全性に関する臨床試験を実施する。

■イチネンHD <9619>  1,630円  +25 円 (+1.6%)  11:30現在

 イチネンホールディングス<9619>が反発している。9日の取引終了後、自社株50万株(消却前発行済み株数の2.06%)を6月23日付で消却すると発表したことが好材料視されている。なお、消却後の発行済み株数は2376万2227株となる。

■ネクソン <3659>  2,632.5円  +27.5 円 (+1.1%)  11:30現在

 ネクソン<3659>が3日続伸している。9日の取引終了後、スウェーデン子会社が手掛ける新作ゲーム「ARC Raiders」が10月30日にグローバル配信を開始すると発表しており、好材料視されている。「ARC Raiders」は大規模なPvPvE(プレイヤー対プレイヤー対コンピューター)サンドボックスの中で、プレイヤー自身で物語を開拓するマルチプレイヤー・エクストラクション・アドベンチャー。プレイヤーは「レイダー」となり、高くそびえ立つ「アーク」、ライバルのレイダー、待ち伏せの脅威が至る所に存在する世界を冒険するというストーリーで、ソロプレイと最大3人でのチームプレイに対応し、リスクと報酬のバランスを見極めながらのゲームプレイが楽しめる。

■メルカリ <4385>  2,539円  +0.5 円 (+0.0%)  11:30現在

 メルカリ<4385>が反発している。同社は9日、自社が運営するスキマバイトサービス「メルカリ ハロ」とネットスターズ<5590>との協業を開始したと発表しており、これが材料視されているようだ。これは、ネットスタズが展開するマルチキャッシュレス決済ソリューション「StarPay」の加盟店向けに「メルカリ ハロ」を案内するもの。これにより、加盟店がより手軽に「メルカリ ハロ」の利用を検討できるようになり、加盟店の人手不足解消と業務効率の改善につながるとしている。

■リバーエレテック <6666>  500円  +80 円 (+19.1%) ストップ高   11:30現在

 リバーエレテック<6666>が急反騰。水晶振動子を主力とする電子デバイスメーカーで電子ビーム封止工法などの独自技術を強みとしている。業績は25年3月期に増収ながら営業赤字に沈んだが、26年3月期は車載向けや医療ヘルスケア向けの需要伸長を背景に回復が見込まれている。そうしたなか、同社は9日取引終了後に28年3月期を最終年度とする中期経営計画「R2027」の策定したことを発表した。最終年度の数値目標としては売上高が73億500万円(前期実績は56億9800万円)、営業利益は7億6900万円(同7500万円の赤字)を掲げており、これを評価する買いを呼び込んでいる。

■ピーバンドットコム <3559>  556円  +80 円 (+16.8%) ストップ高買い気配   11:30現在

 ピーバンドットコム<3559>はカイ気配。9日取引終了後、センサーのデモ機開発支援サービス「gene(ジーン)」を通じて、ローム<6963>との間でオンデバイスAIソリューション「Solist-AI」のエコシステムパートナー契約を締結したと発表した。これにより、エッジAIの迅速な試作・評価環境の構築を支援するという。これが買い材料視されている。

■三社電機製作所 <6882>  924円  +73 円 (+8.6%)  11:30現在

 三社電機製作所<6882>が急騰。電源機器メーカーとして高い競争力を有し半導体はパワーデバイスで需要を獲得している。一方、防衛省とも以前から取引実績は豊富で、バックアップに使われるUPS(無停電電源装置)を納入している。同社の実質筆頭株主は三菱重工業<7011>であり、防衛関連としての切り口で物色人気に火が付く格好となっている。PBRは依然として0.5倍前後と解散価値の半値水準にあることから水準訂正狙いの買いが集中した。

■シンバイオ製薬 <4582>  182円  +11 円 (+6.4%)  11:30現在

 シンバイオ製薬<4582>が高い。同社は10日、悪性リンパ腫を対象とした注射剤「ブリンシドフォビル」の国際共同臨床試験について、国内で1例目の患者登録を完了したと発表。新薬開発の前進を好感した買いが株価の支えとなったようだ。今後、香港やシンガポールにおいても患者登録を始め、今年末に向けて計画通り15症例の登録を進める方針を示している。

■ANAPHD <3189>  1,114円  +150 円 (+15.6%) ストップ高買い気配   11:30現在

 ANAPホールディングス<3189>がストップ高の水準となる前営業日比150円高の1114円でカイ気配となっている。同社は9日の取引終了後、第三者割当増資による資金調達を発表した。調達額のうち約80億円分はビットコインの現物出資によるものとする。日本経済新聞電子版は同日、「ビットコイン建ての増資は初めての事例となる」と伝えているほか、更にANAPHDはビットコイン事業を開始し、中期的な保有やトレーディングとともに、関連ビジネス領域の開拓を図る方針を示している。一連の発表をサプライズ視した買いが入ったようだ。ANAPHDはネットプライス事業再生合同会社(東京都港区)やキャピタルタイフーン(同)を割当予定先に1株968円で新株を発行。QL有限責任事業組合(同)、Tiger Japan Investment(東京都渋谷区)、AEGIS(同千代田区)を割当予定先に1株250円で新株を発行する。払い込み額のうち、約76億2500万円分については、金銭債権の現物出資(デッド・エクイティ・スワップ、DES)による方法で実施。約80億円分は、キャピタルタイフーンによるビットコインでの現物出資による方法で割り当てる。このほか、ネットプライス事業再生合同会社などを割当予定先として新株予約権を発行。新株と新株予約権の発行を通じて調達した資金の合計約67億円については、運転資金やM&Aの資金、ビットコインの取得資金に充てる。ANAPHDはアパレルブランド「BASICKS」の取得と、エステ・リラクゼーションサロンを展開するTLC(東京都渋谷区)との業務提携も発表している。 ●ストップ高銘柄

 ブルーイノベーション <5597>  1,623円  +300 円 (+22.7%) ストップ高   11:30現在

 ヘリオス <4593>  493円  +80 円 (+19.4%) ストップ高   11:30現在  ビート <9399>  625円  +100 円 (+19.0%) ストップ高買い気配   11:30現在  など、6銘柄 ●ストップ安銘柄  なし 株探ニュース

関連記事: