「体重33kg減」108→75kgに激ヤセ…医者が怒った「お前、死ぬぞ」血圧240で救急車、死にかけた吉本芸人が柔術に救われた話「衝撃のビフォーアフター」(Number Web)

「もし柔術と出会っていなかったら、僕は死んでいたかもしれない」  熊谷茶とのコンビで活躍中のガリットチュウ福島善成は多数のモノマネレパートリーで有名だが、自分の人生はブラジリアン柔術に救われたと思っている。  というのも、船越英一郎のモノマネで知名度を一気に上げた後、体重はMAXで108kgまで増加し、体は悲鳴をあげていた。 「お酒と肥満と血圧で、病院では『血圧を下げるための薬は一番強いのを飲まないと無理』といわれていました」  血圧は最高で240mmHg。40代の男性の平均血圧は125.8mmHgといわれているので、その倍もあったことになる。もともと血圧が高い家系だった。「だから僕は180mmHgが正常というか、平均だという感覚だったんです」。  血圧はちょっとやそっと高くても大丈夫とたかをくくっていた。だが、7年ほど前、救急車で緊急搬送される。気がついたら集中治療室にいた。 「そのとき心拍数は180(平均は70〜80)もあったので。先生から『いつ死んでもおかしくない』と診断されて。それでも僕は翌日の営業に行こうとして。先生に『休みなさい! お前、死ぬぞ』って怒られました」

 2020年10月27日、三途の川を渡る一歩手前の福島に、大きな転機が訪れた。知人に誘われる形で、桜庭和志がプロデューサーを務めるグラップリング(レスリングに絞め技や関節技を加味した組み技格闘技)のチーム勝ち抜き戦『QUINTET』を観戦しに行ったところ、「この競技だったら、年をとってもできるかな」とひらめいた。  グラップリングはブラジリアン柔術とほぼ同じルール。柔術着を着ているかどうかの違いしかない。柔術界でグラップリングはNo Gi(=柔術着を着ない)と呼ばれている。福島は初心者でも入りやすい柔術をやってみようと決めた。 「もともと格闘技が好きで、その大会も所英男さんや宇野薫さんの試合を見ることが目的でした。でも、まさかその9カ月後に同じ舞台で自分が桜庭親子(長男・大世は現在RIZINでMMAファイターとして活躍)と闘うことになるとは夢にも思わなかった(笑)」  福島は“世界の山下”こと山下泰裕や“木村の前に木村なく、木村の後に木村なし”といわれた木村政彦ら柔道家・柔術家をあまた輩出している熊本県出身。先人たちの影響を受け、中・高時代は柔道に熱中し、地元・本渡市(現・天草市)の大会では優勝している。 「ジュニアオリンピックで優勝した頃の内柴正人さん(のちにアテネ、北京の両五輪で金メダルを獲得)と闘い、3分間持ったというのが学生時代の自慢です。組んでいる最中は投げられたくなくて腰をずっと引いていたけど、力が強くて最後の最後に大内刈りで技ありをとられて負けました(笑)」


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 特別な食事制限することなく体重が落ちるとなれば、ダイエットに関心の高い人たちも気になるだろう。福島も「ダイエット目的で柔術を始める方はいると思います」と考える。 「この間、ワールドマスターという大会で優勝した後、ファミリーマートの店内放送の仕事があったんです。そこで柔術をやるメリットを喋ったら、吉本興業最寄りのファミマで買い物をした男性社員がたまたま聞いて『僕も今日から始めます! 』と。本当に柔術家になったんですよ」  柔術での実績を見込まれ、最近は都内のジムで柔術の動きを主としたエクササイズの講師も務めている。 「技を教えるというのではなく、ホント触りだけですけどね。柔術の技を覚えてもらって、腰回りとか腹筋を絞りやすくするために、足回し(下から相手をコントロールするための初歩的なムーブ)などを指導しています」  とはいえ、福島は「自分は柔術をやることで、体重が33kgも落ちた」と自慢することはない。というのも、すでに彼にとって柔術は趣味の領域を飛び越え、歯を磨くことに等しい毎日の習慣になっているからだ。 「柔術の練習を2日休んだら、もう1週間以上休んでいる感覚なんですよ。柔術に興味のない家族は全く理解してくれないですけど(苦笑)」  ふとしたきっかけで出会ってしまったライフワーク。もう柔術抜きの人生なんて考えられない。 <続く>

(「格闘技PRESS」布施鋼治 = 文)

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