糖尿病の人にとって「健康的な食事とは?」 健康的な食事の4つの基本原則 FAOとWHOが共同声明を発表
医薬基盤・健康・栄養研究所は、「健康的な食事とは? 国際連合食糧農業機関と世界保健機関による共同声明」の日本語版の公開を開始した。
この共同声明は、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)がまとめて公開しているもので、栄養不良の予防、肥満や非感染性疾患(NCDs)の予防、健康増進における食事の役割、食料生産、食生活、環境などの相互関係を重視し、健康的な食事を構成するものについての原則などを示している。
健康的な食事は、健康、成長、発育を促進し、活動的なライフスタイルを支え、栄養素の過不足を減らし、ウエルビーイングを促進する。
健康的な食事は、次の4つの基本原則を満たす必要があるとしている。
欠乏症を防ぎ、健康を促進するために必要な栄養素を、過剰に摂取することなく十分に摂取する。
健康的な体重、成長、疾病予防を推進するために、エネルギー摂取量、エネルギー産生栄養素(脂質、炭水化物、タンパク質)の摂取比率を考慮する。
健康に有害な影響を及ぼす食品、栄養素、その他の化合物の摂取を制限する。
栄養素の適切さとその他の健康を推進する物質の摂取を促進するため、食品群内および食品群間で、栄養価の高い食品を幅広く含める。
適切な食事とは、年齢・性別・体格・体組成・身体活動レベル・生理的状態(妊娠など)・糖尿病など病状に応じた食事摂取基準を、超過することなく満たすものとしている。
適切な食事のポイントとして、次のことなどが紹介されている。
- 主要な3つのエネルギー源(タンパク質・脂質・炭水化物)の適切なバランスがとれていることが大切。これらの三大栄養素のエネルギーバランスは成人では、タンパク質 10~15%、脂質 15~30%、炭水化物 45~75%を推奨。
さらに、「結論:健康的な食事パターンを認識し称賛する」の章では、食事パターンは、個人の嗜好や信念、文化、伝統、宗教、収入、食品の入手しやすさ、買いやすさなど、社会的・経済的・環境的なさまざまな要因によって決定されるとしている。
4つの基本原則を満たし、安全な食品で構成されている限り、多くの食事パターンが健康的でありうる。
「すべての政府に対し、持続可能な農業・食料システムによる健康的な食事パターンを促進し、それを可能にする政策やプログラムに情報を提供するために、農業・食料システムの見地から食事ガイドラインを開発し利用することを促す」としている。