ゴードン・ブラウン氏の再来? 英国、50億ポンド相当のビットコイン売却を検討か
1999年から2002年にかけて、当時イギリスの財務大臣だったゴードン・ブラウン(Gordon Brown)氏の指揮の下、イギリスは国家の金準備のおよそ半分を1オンスあたり約275ドル(約4万円、1ドル145円換算)で売却した。この価格は一世代に一度あるかどうかの底値となった。 そこから20年以上が経過し、現在の金価格は1オンスあたり3350ドル(約485750円)と、約12倍に高騰している。イギリスは莫大な利益を逸したことになる。 その誤りを、イギリスが再び繰り返すのではないか? テレグラフ(Telegraph)の週末の記事によると、イギリス政府は政府予算の赤字を縮小させるため今年200億ポンド(約4兆円、1ポンド200円換算)もの金額を調達する必要があり、現在の財務大臣であるレイチェル・リーヴス(Rachel Reeves)氏は50億ポンド(約1兆円)を超える可能性のある押収されたビットコインの売却を検討している。 イギリス政府が管理しているビットコインの数量は明らかにされていないものの、テレグラフの報道によれば、2018年に行われた強制捜索1件で、中国発のポンジスキームによって得られた利益から6万1000BTCが回収されたとされる。現在のビットコイン価格が約9万ポンド(約1800万円)であるため、押収されたビットコインの価値は50億ポンド(約1兆円)を超える。 ブラウン氏による金の売却と、現在検討されているビットコインの売却との間には、複数の重要な相違点が存在する。中でも最も重要なのは、価格サイクルのどの段階にあるかという点だ。ビットコインは今後上昇する可能性もあれば、逆に下落したり横ばいのままになったりする可能性もある。しかしながら、ビットコインは前年比で約75%、過去5年間では1000%以上も上昇していることを考慮すると、20世紀末の金価格と異なり、世紀に一度の底値にあるとは到底言えない。 |翻訳・編集:林理南|画像:レイチェル・リーヴス財務大臣(Shutterstock)|原文:Gordon Brown Redux? UK Reportedly Mulls Sale of 5B Pounds in Bitcoin
CoinDesk Japan 編集部