『頭文字D』に魂を捧げるファン大集合!! 美しいハチロク&FD&R32が富士イベントに集結!! 熱いオーナーたちに直撃取材【前編】
連載開始30周年を記念するビッグイベント「頭文字D 30th Anniversary 2Days」(2025年9月13日~14日@富士スピードウェイ)は、全国各地から幅広世代のファンが訪れ、おおいに盛り上がりを見せた。そのイベントの盛り上げ役として一肌脱いでくれたファンたちがいる。今回は、イベントのコンテンツに車両を提供してくださったオーナーと愛車の物語をお届けしたい。
文/写真:大音安弘
【画像ギャラリー】『頭文字D』モデル車オーナーたちの熱い愛車魂(24枚)富士スピードウェイを舞台に、2025年9月13~14日に開催された「頭文字D 30th Anniversary 2Days」。DAY2「頭文字D World Summit 2025」では走行コンテンツ「再現ドリフト」が実施され、土屋圭市さんや織戸学さんなどのプロドライバーがステアリングを握り、ADVANコーナーを峠に見立てて名バトルを再現。マンガやアニメの1シーンを実現させた熱い光景にファンたちも歓喜した。
今回、そのシーン実現のために大切な愛車を提供してくれたオーナーさんたちを取材した。
熱心なしげの秀一先生のファンであり、走り好きでもある三日月さん。その愛車のメカは本気仕様だ
前期型トレノハッチバックのハチロクを、主人公の藤原拓海が操る「藤原とうふ店仕様」に仕上げて楽しんでいる三日月さん。大人気バイク漫画『バリバリ伝説』からのしげの秀一先生の熱心なファンであり、連載当時はバイクに親しんでいたという。
高校を卒業する頃、『頭文字D』の連載が始まり、その影響を受けて自身でもハチロクを購入。しかし、若気の至りで、ハチロクは廃車に。未練はあったものの、結婚したこともあり、しばらくは大人しくしていたが、生活が落ち着いたタイミングを見計らって、2004年頃に今の愛車であるGTVを購入した。
当初はノーマルで乗るつもりだったそうだが、走ることが大好きで、次第にチューニングを開始。その後、ハチロクを通じて『頭文字D』好きの仲間も増えてきたことで、藤原とうふ店仕様へのカスタムも始めた。
走りを重視する三日月さんだけに、中身のこだわりも凄い。メーターパネルは車外メーターを組み込んだオリジナル品に変更。シートもバケットタイプに変更している。特に自慢なのがエンジン。4連スロットル付き20バルブエンジン仕様の4AGエンジンに換装されているのだ。そのエンジン出来栄えはドリキンこと土屋圭市さんにも褒められたほど。マニアックなこだわりだが、チューニングが好きな人が喜んでくれることも嬉しいそうだ。
エンジンは、なんと20バルブの4AGに換装。しっかりとチューニングも施される
ハチロクの魅力を尋ねると、「クルマの基本が凝縮され、いくら乗っても飽きないところ」だそう。今も毎週末のハチロクとのドライブが大切な時間となっている。「もう考えたくないほどお金もかけてしまったから、一生付き合っていきたい」と冗談っぽく話してくれたが、今も若きに出会ったハチロクに夢中な三日月さんだった。
部品取り車を愛してしまった宮﨑さんは、前期3ドアと後期2ドアの2台のトレノを所有
主人公拓海と同じ天才肌のドライバー乾伸司の愛車となる後期型2ドアクーペを提供してくれた宮﨑さん。トレノを入手したのは15年程前のこと。今はピカピカの状態だが、購入当初は、先に所有していた前期型トレノ3ドアの部品取り車とする予定だった。
ボロいが走れる状態だったこともあり、試しに乗ってみたことが運の尽き(?)で、愛着がわいてしまい愛車へと昇格。傷んだ部分の修理を重ね、現在の状態まで仕上げたという。
外観はGTアペックス風だが、これはカスタムではなく、メーカーオプションのスポーツパッケージ装着車のため。その証拠にリヤブレーキが、GT標準のドラムブレーキとなっている。
クーペスタイルもお気に入りのひとつ。GTのスポーツパッケージ装着車なので、見た目は、ほぼGTアペックスだ
もう一台の愛車であった前期型3ドアクーペにも面白いエピソードがある。2台目のハチロクを手に入れたことで、1号車を購入した専門店にレストアを依頼したが、多忙のためかなかなか仕上がってことなかった。
そこで同店が所有する映画『頭文字D』のPR車が役目を終えて返却されたことを知り、ダメ元で交換を相談すると、予想外にもOKとの回答。そこで元々の愛車とは異なるが、拓海仕様のトレノを手に入れ、現在は2台体制となっている。
宮﨑さんにハチロクの魅力を尋ねると、「欠かせない相棒。他のクルマも考えたこともないし、仮に手放しても、また入手したくなるクルマ」と話す。GRヘリテージパーツの登場などもあり、パーツ事情は悪くないとのこと。「今はハチロクを買う方が大変なので、絶対に手放しません」と締めくくってくれた。