【解説】 米中首脳会談、話し合われなかったことが最も重要かもしれない
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中国は28日、先週行われた習近平国家主席とドナルド・トランプ米大統領の会談で合意された内容に関する詳細を公表し、いくつかの具体的な成果を明らかにした。
この首脳会談では共同声明は発表されず、大きな進展もほとんど見られなかった。
共同声明に代わり、両政府はそれぞれが会談についての声明を発表した。これは、ホワイトハウス訪問や関係改善の約束はあったものの、アメリカと中国が依然として互いに警戒心を抱いていることの表れかもしれない。
会談の中身について、現在わかっていることと、まだわかっていないことを解説する。
新しいAI対話とコミュニケーションチャンネル
中国の発表によると、両国は人工知能(AI)に関する対話を新たに始めることで合意した。次回の協議は11月末に予定されている。
両国が高度なAI開発競争を繰り広げるなかでの今回の動きは、ビジネスから軍事計画に至るまであらゆる分野で利用が拡大しているこの技術に関して、何らかの安全策が必要だと両国が認識していることを示唆している。
両国はまた、AI関連の事案に関するコミュニケーションチャンネルの設置にも合意した。誤解や予期せぬ事態がより広範な対立に発展するのを防ぐのが目的だ。
そうしたなかで、今回の米中首脳会談でも、AIに関するあらゆる進展や合意に注目が集まっていた。
貿易「休戦」の延長と、話されなかったこと
中国国営メディアは28日、米中両国が貿易戦争の「休戦」を来年1月10日まで延長することで合意したと、初めて報じた。
この短期間の延長により、習氏とトランプ氏が年内に開催される主要な国際会議で再び会談することが確実となった。
トランプ大統領は11月に中国・深圳で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席する予定。一方の習国家主席は、12月に米マイアミで開催される主要20カ国(G20)首脳会議に参加すると報じられている。
世界最大の経済大国である両国の首脳が、これほど頻繁に会談するのは異例のことだ。
しかし、中国はもっと長期の停戦延長を望んでいた。そのため、今回の2カ月間の猶予は大きな前進というよりは、ささやかな成果に過ぎなかった。
中国は、アメリカに輸出する300億ドル(約4兆7200億円)相当の商品に対する関税引き下げを実現した。中国側からも同様の関税引き下げが期待されている。
おもちゃから小型家電、クリスマスの装飾品まで、アメリカの店舗に向けて出荷される中国製品は、関税引き下げの恩恵を受けるだろう。
トランプ政権はまた、中国が2027年と2028年に年間少なくとも1000万トンの石炭を購入すると述べた。
中国のレアアース(希土類)の対米輸出増加については一切言及されなかった。アメリカの先端半導体に関する規制が緩和される兆候も見られなかった。
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米国は台湾を除外したが、中国はそうしなかった
ホワイトハウスのファクトシートには台湾に関する記述はなかったが、習氏にとって台湾問題が優先事項であることは明らかだった。
中国側の発表によると、習氏はトランプ氏に対し、台湾独立に正式に反対し、この問題を慎重に扱うよう促した。
5月の前回の会談後、トランプ氏は、中国が台湾を攻撃した場合、アメリカは台湾を防衛するかと、習氏から直接尋ねられたと明らかにした。
トランプ氏は記者団に対し、「それを知っているのは私だけだ」と述べ、この問題のために米軍が「9500マイルも移動して戦争をするのは理にかなっているのか」と疑問を投げかけた。
しかしトランプ氏は今回、はるかに少ない情報しか開示せず、記者団に「それについてはあまり話し合わなかった」とだけ述べた。
トランプ氏は以前、台湾への140億ドル規模の武器供与案を、中国との交渉における「非常に有効な交渉材料」と評していた。この武器供与案は数カ月間、保留状態となっている。
さらに混乱を招いたのは、アメリカのデイヴィッド・パーデュー駐中国大使が米FOXニュースに対し、トランプ氏が首脳会談の中で中国への武器売却を申し出たと語ったことだ。
米国務省はその後、アメリカの法律は中国への武器売却を禁じており、そのような計画はないと明言した。
中国は台湾を自国の領土の一部と見なしている。アメリカを含むほとんどの国は台湾を独立国家として承認していないが、アメリカは武力による台湾統一に反対し、台湾に武器を供与し続けている。
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中国は投資の扉を開放するかもしれない
中国は、アメリカの銀行、投資会社、保険会社など、より多くの外国金融機関が中国で事業を展開し、事務所を開設することを許可していくと発表した。ただし、承認は引き続き、中国の法律および規制に従う必要がある。
この最後の一文が重要だ。中国は扉を開放するが、依然として、誰がそこを通るかをコントロールしている。
外国の金融機関は長年、市場へのアクセスが技術的に認められている場合でも、規制上の障壁、ライセンス要件、そして撤退禁止への懸念によって、中国での事業拡大が困難だと訴えてきた。
中国側はまた、米中間の航空便を増やす方法を協議していると述べたが、両国とも具体的な方法については説明していない。
中国は、世界75カ国以上からの訪問者に査証(ビザ)なし入国を認めているにもかかわらず、アメリカに対してはその措置を適用していない。
一方、米国務省は、恣意(しい)的な法執行、出国禁止、拘束のリスクがあるため、中国への渡航をレベル2の「勧告」に引き続き分類し、旅行者に対し「より一層の注意を払う」よう促している。
両国ともビジネスや旅行の促進について語っているものの、最大の障害のいくつかは依然として根強く残っている。
では何が明らかになったのか
今回の首脳会談では対話は増えたものの、当面の決定的な変化はほとんど見られなかった。先進技術から台湾問題に至るまで、最も議論の的となっている問題は未解決のままだ。
しかし、両首脳にとってこれは見慣れた結果だ。つまり、より多くのコミュニケーション経路の約束、ささやかな経済的譲歩、そして関係を安定させるためのささやかな提案である。
両国は安定した関係を維持することに引き続き尽力しているものの、米中対話を継続する方が、どちらかの超大国に妥協を求めるよりもはるかに容易であるように思われる。