ウクライナ、30日間停戦の米国案を受け入れる用意
ウクライナは11日、米国が提案したロシアとの30日間の停戦を受け入れる用意があると発表した。ウクライナに対する軍事支援と情報提供の一時停止解除に向けたトランプ政権との取引に基づく。
サウジアラビアで行われた米国との8時間に及ぶ協議を終えた後、ウクライナ大統領府が共同声明をウェブサイトに掲載した。協議では、ウクライナを荒廃させたロシアとの3年にわたる戦闘の一時停止が提起された。
米国は今後、この案をロシアのプーチン大統領に提示し、合意を探る。トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団に対し、「プーチン大統領もこれに同意してくれると期待している。そうすれば、これを始動できる」とした上で、「タンゴを踊るには2人必要だ」と述べた。
またトランプ氏は、米政府高官が12日にロシア側と協議する予定で、自身も今週中にプーチン大統領と話す可能性もあると話した。
ウォルツ米大統領補佐官(国家安全保障担当)はジェッダで記者団に対し「ウクライナ側は完全な停戦に向けた米国案を受け入れただけでなく、具体的な措置と具体的な案を提示した」と評価。「この戦争をどのように恒久的に終わらせ、長期的な安全保障や繁栄のためウクライナがどのような保証を得るかについて、このおぞましい戦闘を最終的に終わらせるには何が必要かについて、実質的な詳細にもわれわれは踏み込んだ」と続けた。
共同声明によると、米国とウクライナは停戦期間中にロシアと戦争捕虜の交換を行う必要性についても協議した。また、双方は天然資源取引を可及的速やかに締結することでも合意した。
ルビオ国務長官は会談に先立ち、今回の目的はウクライナが和平確保に何を譲歩できるのか理解することが目的だと述べていた。会談後に同氏は、「われわれが提案し」、ウクライナが受け入れたと記者団に語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は国民向けのビデオメッセージで、「この30日間の停戦中に、われわれはパートナーと共に、確実な平和と永続的な安全の保証に関しあらゆる項目を準備できるかもしれない」と表明。
「ウクライナは平和への準備ができている。ロシアは戦争を終わらせる用意があるか、それとも戦争を続けるつもりかを示さなければならない」と述べた。
ゼレンスキー氏によれば、米国の停戦案では、ミサイルや爆弾のほか、爆発物を搭載した無人機を使ったロシアの空爆停止を求めている。
トランプ氏は2月28日に大統領執務室でゼレンスキー氏と激しい口論になった後、ウクライナへの重要な軍事支援を停止。その後、ジェッダでのウクライナ側との協議に向けルビオ長官とウォルツ補佐官を派遣した。米国は、ゼレンスキー氏がロシアとの戦争終結に向けた外交的解決への決意を示すことを、軍事支援再開の条件とした。
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トランプ氏は、ゼレンスキー氏がホワイトハウスに再び招待されるかどうかを問われ、「もちろんそうだ」と答えた。
原題:Ukraine Accepts US-Brokered Ceasefire Plan in Deal for Aid (1)、Ukraine Says It’s Ready to Accept US Proposal for 30-Day Truce(抜粋)