Windows 10をギリギリまで使い続ける筆者がWindows 11の良い点・悪い点をレビュー
Windows 11ではタスクバーとスタートメニューが中央配置となりましたが、これによりカスタマイズ性が大幅に制限されました。たとえば、タスクバーを画面の上下左右に移動することができません。 ■OneDrive
Windows 11ではOneDriveとの連携が強化されており、ファイルのOneDriveへのバックアップが無許可で行われるようになりました。OneDriveとはMicrosoftのクラウドサービス。自動バックアップが便利な人もいる反面、バックアップしなくてもいいファイルまでバックアップされることで、容量が圧迫される懸念もあります。 プライバシーの観点からも、すべてのファイルをクラウドに上げたくない人にとっては、この強制的な統合感は使いづらさを感じる原因となっています。 ■右クリックの使いづらさ
さらにCopilotは「Copilot for Microsoft 365」として、Microsoftのさまざまなアプリで活用できますが、動作は指示内容ではなく、ユーザーの権限によって変わることが分かっています。 つまり高い権限を持つユーザーであればあるほど、Copilotの利用に伴うリスクも大きく、その使用リスクは不透明です。 生成AIの活用は間違いなく今後も進むでしょう。一方で生成AIが汎用的なOSに組み込まれるべきものか、ユーザー自身がセキュリティ対策を行った上で自己責任で導入すべきものかは意見が分かれるところでしょう。「デフォルトでオンにすべきものか」は微妙なところです。 ■Androidアプリ利用のメリットがほとんどない Windows 11ではAndroidアプリを使えますが、実際にWindows 11でAndroidアプリを起動すると縦長に最適化されたUIとPCのUIの違いなどから、快適に使えるアプリはごくわずか。どうしてもAndroidアプリをWindowsで使いたい場合、Androidエミュレータを使う手も古くから存在しています。 そのためWindows 11で極めてシステム要件が上がった代わりに「Androidアプリが使える」のは恩恵があまりに小さな印象です。 ■システム要件が高すぎる Windows 11の最も大きな問題点の一つが、そのハードウェア要件の高さです。特に「TPM 2.0」や「Secure Boot対応」といった比較的新しいセキュリティ機能が必須となったため、旧型PCの多くがアップグレード対象外となってしまっています。
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一方で、Windows 11には多くの魅力的なポイントがあります。たとえば、「スナップレイアウト」によって、複数のウィンドウを直感的に配置できるようになり、作業効率が向上しました。また、セキュリティ面では、TPM 2.0の採用によりハードウェアレベルでの暗号化が強化され、マルウェアやランサムウェアからの保護が向上しています。 しかし、Windows 11の代替となりえる無料OSも存在しているのも事実。
また、Linux MintはWindowsに近い操作感を実現したデスクトップ環境「Cinnamon」を搭載。Windowsに近いデスクトップ環境で『Wine』や『PlayOnLinux』を利用することで、Windowsアプリの実行もスムーズに行えます。 つまり、こうした代替手段も充実しているため、「無理にWindows 11の搭載PCへと買い替える必要はない」のもまた事実といえるかもしれません。
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