亀や魚がスパイに!? 中国当局が海洋データを盗まれたと非難
スパイ戦も、そこまできたか。 速報です! ドナルド・トランプ大統領が北京を訪問してからわずか1カ月後、中国の広大な沿岸海域でスパイ疑惑が浮上しました。中国国家安全部は、SNSプラットフォーム“WeChat”への投稿で、この状況について言及。その内容は翻訳ツールによって若干差がありますが、ここではGoogle翻訳の訳文を参照します。 この投稿、なかなか興味深いので、是非読んでみてください。冒頭では、中国の領海を「広大な青い領域であり、自然が中国国民に与えた貴重な贈り物」と描写。ここでいう「青い領域」というのは美しいビーチや豊富な魚介類のことではありません。この海は「質の高い発展を促進し、中国式近代化を推進するための戦略的空間と豊富な資源を提供する」のです。 ただ、「質の高い発展」や「中国式近代化」がすすむ一方、その広大な青い領域の水面下では「目に見えない秘密のスパイ戦争が静かに繰り広げられている」といいますから、穏やかではありません。 投稿はさらに「外国の諜報機関は、様々な新型の諜報装置を用いて、機密性の高い海洋データを絶えず収集・窃取している」と続きます。これはこれは、一体どのような諜報装置なのでしょうか。 そこには多種多様な犯人が浮かびますが、なかでも我々の目を引いたのが「スパイ亀」と「スパイ魚」です。 なんと、海の中には「センサーが取り付けられた」狡猾な亀と魚が送り込まれており、特定の海域を泳ぎ回って海洋データを収集、海外の衛星に送信しているというのです。ウミガメが一体どれほどのデータを収集できるのかと疑問に思うかもしれませんが、決して笑いごとではないというのが同省の主張。 「海流の動態、水温の特性、温度分布、海底地形といった機密データが外国の諜報機関に盗まれた場合、中国の国家安全保障、軍事安全保障、経済安全保障が深刻に危機に瀕することになる」。 ウミガメや魚が中国の国家・軍事・経済の安全保障にどれほど深刻な脅威をもたらすかについては専門家に判断を委ねるとして…。 今、アメリカの国家安全保障体制を考えたとき、CIAがわざわざ中国海底地形をスパイするために、ウミガメや魚を訓練する秘密作戦を実行する余力があるでしょうか。米国の現状を見れば、そのための水を張る人員さえ惜しむのではないでしょうか。 中国当局の肩を持つわけではありませんが、たしかにCIAにはこの分野で過去に実績はあります。「動物を使ったスパイ活動」という愚行も、おとぎ話ではありません。 筆者は最近、別のメディアで、「プロジェクト・アコースティック・キティ」について取り上げました。これはこのジャンルでCIAが行った最も奇抜な事例の1つで、要約すると、「CIAが猫を使ってロシアのスパイ容疑者を探ろうとしたが、猫と接した経験のある人なら誰もが想像できる結果に終わった」という感じです。 動物をスパイ活動に使った例はアメリカに限ったことではありません。2019年、ノルウェー沖でカメラマウント付きのハーネスを装着したシロイルカが見つかったのを覚えているでしょうか。一見、無邪気で人懐っこいイルカでしたが、これが実は…ロシアのスパイである疑いがかかったのです。どうしてそんな疑惑が生まれたのか? というのも、そのハーネスには「EQUIPMENT OF ST. PETERSBURG(サンクトペテルブルク製)」と書かれたロゴが刻印されていたのです。さらに、数年前、ロシアの国営テレビがシロイルカをスパイとして訓練するドキュメンタリーを放送していたこと。(イルカ自身が「こんにちは、私はロシアのスパイです!」という横断幕も掲げていたという噂もありましたが、これは未確認)。 ロシア側はもちろん、こうした疑惑を否定。逆に、あるロシアのシンクタンクのアナリストは、「ノルウェーの馬鹿ども」が、「サンクトペテルブルクの(純粋にクジラを研究していた)動物学者たち」からイルカを「盗みとった」と非難しました。 いずれにせよ、CIAのカメ訓練部門は、崩れゆく帝国諜報機関における最後の砦なのかもしれません。あるいは、ロシア側がカメの研究に転向したのかも? 本当のところは誰実もわかりません。世の中、まだまだ不可解なことばかりです。
R.Mitsubori