トヨタ・ソアラが「レクサスSC430」に! 価格は680万円。国内レクサスブランド開業【今日は何の日?8月30日】

2005(平成17)年8月30日、トヨタの海外向け高級車ブランドである「レクサス」の日本での開業に伴い「レクサスSC430」が発売された。レクサスSC430は新型モデルではなく、2001年から販売されていた4代目「ソアラ(海外名:レクサスSC)」のマイナーチェンジ版で、これを機に車名を海外名SCに統一したのだ。

2005年にデビューした「レクサスSC430」

バブル時代の象徴となったソアラ

初代ソアラ(Z10系)は、スポーティな高級2ドアセダンの“スペシャリティカー”として、1981年2月にデビュー。高性能エンジンを搭載し、先進技術満載の時代を先取りしたモデルだった。

1981年に誕生した初代「ソアラ」。ハイソカーの火付け役として大ヒット

国内最強の170psを発生する2.8L&2.0L直6エンジンを搭載。さらに、デジタルスピードメーターやマイコン式オートエアコン、エア式のランバーサポートなど国内初となる数多くのカーエレクトロニクスを装備して、豪華さと高級感を演出し、バブル時代の象徴ハイソカーブームの火付け役として大ヒットした。

1986年にデビューした2代目「ソアラ」。バブルの勢いで大ヒットモデルになった

1986年1月にモデルチェンジした2代目(Z20系)ソアラも、初代のキープコンセプトでより洗練されたスタイリングとパワフルなターボエンジンを搭載。先代を上回る先進技術を搭載した2代目ソアラは、バブル好景気と重なったこともあり、400万円を超える最上級モデルが飛ぶように売れた。

3代目&4代目ソアラは海外名レクサスSC

1991年にデビューした3代目ソアラ(Z30型)

そして、バブルが崩壊した1991年5月に3代目(Z30系)ソアラに移行。初代と2代目が採用した直線基調のフォルムを、フロントノーズからリアデッキにかけて曲面で構成されたフォルムに一新。3代目ソアラは北米でデザインされ、レクサスブランド用のグローバルクーペであり、それを日本でソアラとして発売したのだ。

北米のレクサスSCは人気モデルとなり、レクサスブランドの知名度アップに貢献したが、日本で発売された3代目ソアラは、バブル崩壊の影響によって厳しい販売を強いられることになった。

2001年にデビューした4代目「ソアラ(海外名:レクサスSC)」

2001年4月にモデルチェンジした4代目(Z40系)は、さらに北米をはじめとする海外市場を意識したコンバーチブルの高級クーペとなった。

2001年にデビューした4代目「ソアラ(海外名:レクサスSC)」

流線型のフォルムに、パワートレインは当時のトヨタのフラッグシップ「セルシオ」と同じ最高出力280ps/最大トルク43.8kgmを発揮する4.3L V8 DOHCエンジンと電子5速ATの組み合わせ。電動で開閉できる“電動格納式メタル(アルミ)トップ”は、約25秒でクーペ→オープン→クーペへと変身できた。

2001年にデビューした4代目「ソアラ(海外名:レクサスSC)」の電動メタルトップ

日本でのレクサス開業に合わせてソアラをレクサスSCと改名

2005年8月30日、1989年9月に米国で立ち上げた海外向け高級車ブランドのレクサスを日本でも開業した。そして、この日に合わせて4代目ソアラはマイナーチェンジを行ない、車名を「レクサスSC430」に統一。これを最後に名車ソアラの名前は消滅することになった。

2005年にデビューした「レクサスSC430」

レクサスSC430のエクステリアは、レクサスの共通新デザインコンセプト“L・フィネス”を取り入れたフロントグリルとし、リアコンビネーションランプもLEDを採用した新しいデザインへ変更。ヘッドライトも自車の進行角度を明るく照らすインテリジェントAFSが採用され、インテリアはドアトリムとシート、そして本木目パネルのカラーをそれぞれ選択できるようになった。

「レクサスSC430」のコクピット

シャシーは、捩り剛性を40%以上向上させ、オープンボディ独特のボディ剛性の弱さを解消。また、サスペンションは新型のモノチューブダンパーを採用するなど、剛性が向上したボディに合わせてチューニングされた。

2005年にデビューした「レクサスSC430」

エンジンの変更はなく、高性能4.3L V8 DOHCエンジンでスペックも同じだが、トランスミッションは5速から6速ATシーケンシャルマチックに変更され、車両価格は680万円に設定された。

レクサスSC430

・・・・・・・・日本でのレクサスブランド開業は、国内でメルセデス・ベンツやBMWなどの欧州ブランドの人気が高まったことから、トヨタの国内高級セダン市場を海外ブランドから守るためとされている。結果として日本でレクサスモデルを多く見かける現状を考えると、日本での展開は成果だったように思える。

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