「iPhone 16e」を買うべきか、「17」を待つべきか

 AppleはiPhoneの最新モデル「iPhone 16e」(9万9800円)を通常の9月ではなく、2月28日(金)に発売する。この新iPhoneの最大の売りは、「iPhone 16」(12万4800円)の充実した機能の一部――4800万画素のカメラや、「Apple Intelligence」対応の「A18」チップをiPhone 16より2万5000円安く手に入れられることだ。端的に言えば、iPhone 16eはiPhone 16の機能限定版であり、価格を抑える代わりにMagSafe充電や2つ目の背面カメラなどが切り捨てられている。

iPhone 16e提供:Apple/CNET ※クリックすると拡大画像が見られます

 しかし、Appleが2025年に発売するiPhoneはiPhone 16eだけではない。9月には「iPhone17」(仮称)が発売される見込みで、うわさでは新たな超薄型のモデルが登場するという。では、iPhone16eを今買うべきなのか、それとも半年待ってiPhone17を買うべきなのか。

 答えは、残念ながら、「場合による」だ。

iPhone16e提供:Apple/CNET ※クリックすると拡大画像が見られます

 iPhone 16eの最大の特徴は、(キャリアの割引やキャンペーン等を考慮しなければ)現行モデルのiPhoneの中で最も安いというものだ。安いといっても、これまで廉価版iPhoneとして知られていた2022年発売の「iPhone SE」より3万7000円も高い。iPhone 16eは、新しいiPhoneを手頃な価格で手に入れたいユーザーを対象にしている。iPhone 16eには、そうしたユーザーが望むAppleならではの特典、例えば高性能なカメラ、「iMessage」や「FaceTime」、数年間のソフトウェアアップデートが付いてくる。

価格差2.5万円の「iPhone 16e」と「iPhone 16」、何が違うの?

 iPhone 16eはかつてのiPhone SEと同様に、旧世代の部品を活用することで手頃な価格を実現している。例えば、iPhone 16eのディスプレイとボディは「iPhone 14」に似ているが、プロセッサーはiPhone 16と同じものだ。スペック上は、ほぼすべての点でiPhone 16eはiPhone SEをしのぐ。iPhone 16eは2月28日に発売されるが、iPhone17はまだ存在しないため、iPhone17が欲しいなら待つしかない。

 AppleはまだiPhone 17を発表しておらず、当然予約もできない。この次世代iPhoneに関する情報はすべてうわさであり、今よりも優れた何かだということしか分かっていないが、発売自体は半年後の9月となる可能性が濃厚だ。個人的には、これまで半年待つ価値のあったスマートフォンはないので、iPhone 17の登場を待つつもりはない。

 iPhone 17にはiPhone 16eにはない何かが搭載されるだろうが、それが何かは筆者には分からない。Appleはまだ何も発表していないからだ。

 しかしiPhone 17にまつわるうわさから、半年待つ価値があるかどうかを推測することはできる。最も有力なうわさは、The Informationが報じた「超薄型のデザインになる」というものだ。その形状から「iPhone 17 Air」または「iPhone 17 Slim」と仮称される次世代iPhoneは、プロセッサーやソフトウェアの年次アップデートも期待されるが、目玉はデザインとなる可能性が高い。

 Appleが2020年以降に発売したiPhoneは、iPhone SEを除いて、すべてiPhone 12のデザインを踏襲し、側面が平らになっている。このデザインは最新のiPhone16eを含む、iPhone16シリーズでも健在だ。熱烈なAppleファンの間では、まったく新しいデザインのiPhoneの登場を待ち望む声もあるが、Appleは大勢のiPhoneユーザーが慣れ親しんでいる現在のデザインを維持している。これは合理的な判断だ。

 うわさでは、iPhone 17 Airは薄いボディに6.6インチの大型ディスプレイを搭載するという。これはiPhone 16やiPhone 16eのディスプレイ(6.1インチ)と、「iPhone 16 Pro Max」のディスプレイ(6.9インチ)の中間くらいの大きさだ。著名なアナリストのMing-Chi Kuo氏によれば、iPhone 17 AirにはiPhone 16eでデビューしたApple製5Gモデム「Apple C1」が搭載されるという。

 しかし、仮に今すぐiPhone 17が発売されたとしても、この次世代端末の標的ユーザーは、価格を抑えたiPhone 16eの購買層とは異なるはずだ。

 現時点で最新の安いiPhoneを買うか、未発表の次世代フラッグシップモデルを待つかを決める時に、本当に考えなければならないのは、自分が欲しいのはiPhone16の廉価版なのか、上位の高性能なiPhoneなのかだ。もし上位機種が欲しいなら、考えるべきは今iPhone 16を買うか、iPhone 17を待つかだ。

 iPhone 17シリーズに関しては、まだうわさベースの情報しかない。価格は基本モデルが800ドル(約12万円)前後、より性能の高いProモデルは1000ドル(約15万円)からとなる見込みだ。iPhone16と同様に、iPhone17もPhone16eとは異なる価値を提案し、異なるユーザー層をターゲットにしている。

 2026年にiPhone 17の低価格モデル(iPhone 17e?)が出るかどうかも現時点では分からない。iPhoneのフラッグシップモデルは毎年新モデルが出るが、iPhone SEシリーズは2〜3年ごとのアップデートだった。

 今使っているスマートフォンが壊れた、あるいは画面が割れたといった理由で、すぐに新しいスマートフォンが必要なら迷わず購入しよう。iPhone 16は優秀なスマートフォンであり、iPhone 16eも、まだ試していないもののスペック上は、ほとんどの人が満足できる手頃な価格のスマートフォンと言えそうだ。

 では、キャリアとの契約更新が迫っている場合はどうか。Appleがまだ正式に発表しておらず、言及もしていないiPhoneのために待つ半年は長く感じられる。しかし、もし今使っているスマートフォンがまだ問題なく動いているなら、9月まで買い換えは保留し、詳細が分かったタイミングで再検討した方がいいだろう。

Apple

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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