高齢家族を“詐欺”から守るため、私は未経験だが20ドルで「ノーコードアプリ」を作った(海外)(BUSINESS INSIDER JAPAN)
本稿は、タンパにある銀行でデータマネージャーを務める54歳のマット・サナー氏との対話にもとづくエッセイである。サナー氏は、詐欺被害に遭った高齢の家族のために、「スキャム・スケプティック(ScamSkeptic)」というアプリをバイブコーディング(AIに自然言語で指示を出してコードを書かせる手法)で開発した。Business Insiderは彼の両親、79歳のスーと、83歳のボブにも取材し、アプリの使用体験を聞いた。本インタビューは、長さと明瞭さのために編集されている。 【全画像をみる】高齢家族を“詐欺”から守るため、私は未経験だが20ドルで「ノーコードアプリ」を作った マット:私は25年間、主にデータ管理の分野で銀行業務に携わってきた。その中でソフトウェア開発にも触れる機会があり、Python(パイソン)の知識は多少あるが、熟練しているわけではない。 勤務先の銀行で行われた四半期ごとの会議で、不正対策部門が防いだ被害額の大きさを耳にした。それをきっかけに、全国でどれほどの詐欺被害が発生しているかが気になり始めた。両親をはじめ、身近な高齢者が少し立ち止まって、より疑い深くなるよう、何か行動を起こしたいと思った。 スー:夫と私はフロリダ州メルボルンに住んでおり、結婚して60年になる。幼なじみの恋人同士で、ずっと一緒に歩んできた。私は専業主婦を経て、看護師の資格を取得した。また、ガーデニングのベテランとしてボランティア活動にも取り組んだ。 息子のマットは、常に「次に何をしようか」と、考えている。3Dプリンターを持っていて、いつもそれをいじっている。 ボブ:私はしばらく政府機関に勤めた後、国際的なトレーニング企業でマネジメントと営業スキルを教えた。2010年に退職し、息子たちが孫を連れて南部へ移ったのを機に、私たちも後を追った。
マット:私が働いたどの職場でも、フィッシング(偽メールや偽サイトで個人情報を騙し取る詐欺)、スミッシング(SMSによるフィッシング詐欺)、ビッシング(電話・音声通話で個人情報を騙し取る詐欺)、クイッシング(QRコードを悪用したフィッシング詐欺)の検知を含むサイバーセキュリティ研修が義務付けられていた。おかげで、詐欺はひと目で見抜けるという自信がある。 ボブ: マットは昨年、私たちが詐欺の潜在的な被害者になりうるとして、アプリを開発したいと話していた。私はスーよりも詐欺に引っかかりやすいと思う。彼女の方が慎重だ。私は彼女よりもパソコンを使う時間が長く、その分、悪意ある人間につけ込まれる可能性が大きいかもしれない。 以前、デビットカードの番号を盗まれ、不正利用を試みられたことがある。今は二段階認証の活用やクレジット枠のロックなど、多くの防衛策を講じている。 マット: 義母は、孫息子を装った電話を受けた。電話口の相手はトラブルに巻き込まれたと言い、すぐに5000ドル(約78万円、1ドル=155円換算:以下同)を送金するよう求めてきた。義母が銀行で送金の手続きをしようとしたとき、訓練を受けた銀行の窓口担当者が不審な行動に気づき、詳しく質問した。担当者は詐欺だと見抜き、孫息子に直接電話するよう促し、孫息子は無事だった。 また、私の父は保険会社からのメールだと思い込んでリンクをクリックし、パソコンをハッキングされた。叔母もまた、オンラインクイズに頻繁に回答しているが、それが個人情報を巧みに収集していることに気づいていない。詐欺師がその情報をパスワード解析や、電話での本人確認に悪用できることも知らないのだ。