下手なデフレ脱却宣言、政策変えデフレに逆戻りのリスク=赤沢再生相

 1月8日、赤沢亮正経済再生相(写真)は都内で講演し、物価は政府・日銀が目標とする「2%に収束しつつあり、これに負けない賃上げが可能」との認識を示した。写真は2024年10月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京 8日 ロイター] - 赤沢亮正経済再生相は8日、都内で講演し、日本経済はデフレ脱却が宣言できる状況に近づきつつあるものの、間違ったタイミングでデフレ脱却宣言をすると財政・金融政策が急変しデフレに逆戻りするリスクがあるとの認識を示した。

赤沢経済再生相は政府がデフレ脱却宣言を行うタイミングを問われ、「近づきつつある」が、7月の「参院選前に宣言できる自信があるか問われたら答えられない」と述べた。

日銀がゼロ金利政策を解除した翌年に量的緩和に転じた経緯も例に挙げ、「下手なデフレ脱却宣言を行い、政策が全部変わると、(デフレに)戻ってしまうリスクがある」と指摘。現在はデフレ経済と、賃上げと投資がけん引する経済の「分岐点にある」と述べた。

一方、2%の物価安定目標を目指す政府・日銀の取り組みは「完成形に近づきつつある」と表現。物価上昇率が「2.5%や3%ではなく2%に収束しつつあり、賃上げでカバー可能な水準に落ち着いてきている」と述べ、「これなら実質賃金がプラスとなり経済が良い方向で回っていく見込みが立ちつつある」との考えを示した。「いよいよ物価目標を達成しつつある」とも述べた。

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