中国5月PPI、1年10カ月ぶり大幅マイナス CPI4カ月連続下落
[北京 9日 ロイター] - 中国国家統計局が9日発表した5月の生産者物価指数(PPI)は前年比3.3%下落し、1年10カ月ぶりの大幅なマイナスとなった。消費者物価指数(CPI)も前年比0.1%下落し、4カ月連続のマイナスとなった。
米国との関税戦争による不確実性と国内消費の低迷がセンチメントを悪化させており、デフレ圧力に対処するさらなる政策刺激策に期待が高まっている。
ロイターの調査によると、5月のPPIは3.2%下落と予想されていた。4月は2.7%下落していた。
保銀投資(ピンポイント・アセット・マネジメント)のチーフエコノミスト、張智威氏は「中国は引き続きデフレ圧力に直面している。自動車セクターの価格戦争は激しい競争が価格下落をもたらしているさらなるシグナルだ。また、一時期安定していた不動産価格がここ数カ月で下降トレンドを再び示していることも懸念される」と述べた。
製造業の冷え込みは米関税の影響を浮き彫りにしている。米中高官は9日にロンドンで貿易協議を再開するが、交渉結果を巡る不透明感はサービス業の回復にも水を差している。
<コアインフレは前年比0.6%上昇>
一方、5月のCPIは前年比で0.2%下落し、4月の0.1%下落に続いて4カ月連続のマイナスとなった。前月比では0.2%下落し、予想と一致した。
変動の激しい食品と燃料価格を除いたコアインフレは前年比0.6%上昇し、前月の0.5%上昇からわずかに加速した。
ただ、キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミスト、ツーチュン・フアン氏は、コア物価の改善は「もろい」ように見えると指摘。「われわれは存在し続ける過剰生産能力が今年も来年も中国をデフレに陥れると考えている」と語った。
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