阪神・佐藤輝明のポスティング「11月中に移籍先決定」の電撃決着か…三冠王の現地リアル評価と「MLBロックアウトの裏事情」「本命の意外なチーム名」(Number Web)|dメニューニュース

阪神・佐藤輝明のポスティング「11月中に移籍先決定」の電撃決着へ…三冠王の現地リアル評価と「MLBロックアウトの裏事情」「意外な本命チーム名は...」 photograph by Hideki Sugiyama

 MLBでは、ポストシーズンが佳境を迎えている。ワールドシリーズ終了と同時に突入するオフは、ストーブリーグの始まりでもある。

 ここ数年、米球界では「次は日本球界から誰が移籍するのか?」という話題が盛り上がる。今オフ、最も注目度が高い日本人選手は阪神タイガースの佐藤輝明だ。現状では球団がポスティングシステムを利用したメジャー移籍を正式に認めていないにも関わらず、米球界は移籍することを前提に話題の中心となっている。

「11月決着」が示すもの

「ポスティングされたら、佐藤の獲得に本気になっている球団は11月中に契約をまとめる努力をするかもしれません」

 米球界関係者は、佐藤の需要の高さをそんな言葉で明かす。「11月中に」の真意とは、何か。

 まずここで、特殊な事情を説明しておかなければいけない。今オフはメジャーリーグ機構(MLB)と選手会が5年に1度、更新する労使協定の更新時期を迎えている。チームの総年俸の上限と下限に厳密な条件を設定するサラリーキャップ(上限)/サラリーフロア(下限)が最も大きな争点だ。

 断固として受け入れを拒否する選手会と長年にわたり導入を目指すMLB&オーナー側の対立から、現協定が失効する12月1日までに労使交渉がまとまらず、両者が決裂するロックアウト突入が濃厚だ。ロックアウトになれば、球団とフリーエージェント(FA)選手との契約交渉、トレード交渉に加え、球団幹部のみならず、スタッフらも40人枠に入っている選手との連絡が原則、禁止される。

ロックアウトとサトテル移籍の“相関関係”

 MLB側の新労使協定の提案には、新規のFA契約の年数や金額の上限を設定する条項もある。選手会の大反発が予想されるが、仮に新協定の発効後、金額などの制限が加えられる可能性もある。だからその前の「11月」が重要になってくる。好条件でオファーできる球団があれば、11月中のアタックも現実味を帯びる。今オフの補強目標の上位に佐藤の名を挙げる球団ならば、11月中の早期合意を本気で目指すかもしれない。

「佐藤の場合は、村上(宗隆)のときのような球団間で評価のブレは少ないはずです。守備位置は、三塁か、一塁か、外野か球団の編成事情で差があるかもしれませんが、高い打撃の能力はどの球団も評価していると思います」(前出の米球界関係者)

 佐藤は今季、143試合に出場し、打率.306、39本塁打、106打点、OPS.991。圧倒的な数字を残し、2022年の村上(当時ヤクルト)以来4年ぶりとなる、NPB史上9人目の三冠王となった。阪神では1986年のランディ・バース以来40年ぶりという快挙だった。直近2年間で計79本塁打、208打点を記録し、日本球界を代表する長距離打者へと成長。3月に開催されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場している。

ヤンキースの本気度と獲得を狙う“裏事情”

 アジア地域を担当するあるスカウトは、佐藤のメジャーでの評価をこんな言葉で明かす。

「ヤンキースは何人ものスカウトが代わる代わる来日して、クロスチェックをして視察していました。本気度がうかがえますね。阪神のスタッフは、毎日、さまざまなメジャー球団が視察に訪れるため、スカウト席の用意などのアテンドで1年中、忙しかったようです」

 ヤンキースが日本選手の獲得を狙う背景には、日本球界との接点を持つ日本人共同オーナーの存在がある。転職サービス「ビズリーチ」の創業者で、ビジョナル代表取締役社長を務める南壮一郎氏(50歳)だ。2023年4月、日本人として初めてヤンキースのオーナーグループに加入。当時のMLB公式サイトは、同氏が日本とヤンキースの関係強化に意欲を示しており、将来的に日本人選手がさらに増える可能性が高いことを伝えている。ヤンキースは編成部門でも日本人スタッフを増員するなど下地を整えているとされる。

 別の米球界関係者はこう明かす。

「メッツは7人も来日して佐藤を視察しています。ヤンキースに加え、フィリーズなど資金力のある球団が現実的な獲得候補ではないでしょうか」

 資金が潤沢な球団なら、上記の「11月合意」は現実的なストーリーだ。

フィリーズ、メッツの動向は…

 米メディアでも今季、佐藤の話題はたびたび取り上げられた。米スポーツ専門局ESPNは3月14日、ナ・リーグ球団の匿名スカウトによる佐藤の評価を紹介した。

「ずば抜けたパワーがある。ここ数年、打席での技術も徐々に向上してきた」

 米スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」は5月18日、フィリーズのプレストン・マッティングリーGMを中心とした球団関係者が来日し、佐藤を主要な視察対象としていたと報道した。9月2日のヤクルト戦(神宮)にはメッツのデービッド・スターンズ編成本部長が訪れ、佐藤が32号本塁打を放った状況を伝えた。

 米ニューヨーク・ポスト紙は8月13日付の記事で「メッツは、メジャー移籍が見込まれる阪神のスター三塁手、佐藤を視察し、獲得を検討している」と報道。さらに「ヤンキース、ドジャース、フィリーズも佐藤と結びつけられている」と続けた。

評価が分かれる「守備力」

 佐藤の打力はMLB側の高評価を得ている一方で、その守備力については評価が分かれる。同紙は8月13日、複数のスカウトが佐藤の長打力を認めながらも三塁守備には疑問を示しており、メッツに加入する場合、一塁へのコンバートも想定されると報道した。さらに10月16日付のニューヨーク・ポスト紙では、スカウトや球団幹部の大半は「三塁の可能性もあるが、一塁か両翼での起用がより現実的だ」と明かしているとし、三塁からの送球の不安定さを指摘するスカウトの声も取り上げられた。

 プロ野球シーズン大詰めの9月、パドレスのA・J・プレラーGMは佐藤の視察のため来日している。同球団のオーナーにはクワンザ・ジョーンズ氏とホセ・E・フェリシアーノ氏が8月に就任したばかりで、大型補強にも意欲を示してきた。8月24日の就任会見で、ジョーンズ氏は「私たちは全力を注ぐ。口先だけではない」と宣言。フェリシアーノ氏も「ワールドシリーズで優勝しなければならない。それだけだ」と力を込めた。

 パドレスの場合、三塁には球団の顔ともいえるマニー・マチャド(34歳)、右翼にはフェルナンド・タティスJr.(27歳)ら不動のスター選手がいる。左翼や一塁など、限られたポジションだが、佐藤の需要はある。

敏腕代理人と契約…渡米へ

 佐藤はVCスポーツ・グループと代理人契約を結び、渡米の準備を整えている。ドジャースのムーキー・ベッツ外野手(34歳)が2020年に結んだ12年総額3億6500万ドル(約576億7500万円)の契約延長や、レンジャーズのジェイコブ・デグロム投手(38歳)が2022年に結んだ5年総額1億8500万ドル(約292億3300万円)の大型契約を手掛けた実績を持つ。また、菅野智之(37歳)の代理人として2025年にオリオールズ、翌年にはロッキーズとの契約をまとめるなど、日本人選手のマネジメント経験もある。

 佐藤が阪神からポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を容認された場合、申請期間は11月1日から12月15日までの45日間。MLB機構による公示翌日から、全30球団との契約交渉が解禁される。日米ポストシーズンの熱気も冷めぬうちに、ストーブリーグに火が点火される。

文=山田結軌

photograph by Hideki Sugiyama

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