「今日言うつもりはなかったが……」 孫正義が明かした「ロボット自動量産工場」の実態

 「今日ここで言うつもりはなかったんですが」──。ソフトバンクグループが6月24日に開催した株主総会の質疑応答で、会長兼社長の孫正義氏が、投資先の現場で起きている実態を明かす一幕があった。 【写真を見る】ソフトバンクグループの株主価値の推移  同社が投資を重ねてきたロボティクス領域において、ある工場ではすでに「ロボットがロボットを自動で量産する体制」が稼働を始めているという。  孫氏によれば、AIの進化は「対話や画像、動画の生成」の第1段階から、AIが自ら考えて24時間行動し続ける「エージェントAI」の第2段階へ移行している。その中で「次の勝負を分けるのはCPU(中央処理装置)の性能」だと孫氏は言う。  同社傘下の半導体設計大手、英Arm Holdings(Arm)は、AIデータセンター向けCPU「Arm AGI CPU」を発表している。  他社製に比べ、必要な電力を「半分」に抑え込むArmのCPU戦略から、孫氏の次代を担う後継者論まで、株主総会で展開された質疑応答から孫氏が描くソフトバンクグループの展望を読み解く。

――(ソフトバンクグループが推し進める)フィジカルAIの使い道について質問します。既存の仕事を置き換えるだけでなく、AIロボット自身が次世代のAIロボット自体を自律的に量産したり、データセンターを自動で建築したりするような考えはありますか?  あります。で、これはまだ発表していないので、今日ここで言うつもりはなかったのですが(苦笑)、質問されたのでお答えします。  われわれが数十社を集約して仕込んできたロボティクス領域において、ある工場ではすでにロボットがロボットの量産を開始しています。おそらく世界で初めての試みだと思いますよ。  AI(知能)を持ったロボットが、次のAIロボットを自律的に量産する。近いうちに正式な事業として発表できる段階に来ていますが、発表したときには、おそらく世界は驚くことになると思います。 ――サイバー攻撃対策としてのPaaS(パッチング・アズ・ア・サービス)や、フィジカルAIを含めたAIサービスでの具体的な収益化の見通しはどうなっていますか?  現在、サイバー攻撃が毎日のように世界中で起こり、今後も激増すると言われています。われわれが米OpenAIらと開発を進める最先端のセキュリティ防衛サービス(PaaS)は、国家のインフラや企業を守るためのソリューションになります。  この事業は社会的な使命であると同時に、収益もしっかり上げていきます。計算資源がたくさん必要とされる防衛領域だからこそ、健全に収益を上げる事業として成立します。サイバー空間における「セコムやALSOK」のような役割です。

ITmedia ビジネスオンライン
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