ニデック岸田光哉社長「短期の利益追求に弊害」 組織風土改革に着手

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ニデックは14日、不適切会計の疑いを受けて、内部管理体制の改善計画を2026年1月下旬にも日本取引所グループ(JPX)に提出すると発表した。同日にニデックの岸田光哉社長が都内で記者会見し、組織風土の改革や人事制度の見直しなどに着手すると説明した。主なやりとりは以下の通り。

――不適切会計の疑いが生じた背景をどのように捉えていますか。

「不適切なコンプライアンスの案件を解明していくにつれて、組織風土の改革が必要との認識に至った。第三者委員会から最終的なご報告をいただいたうえで、本質的な原因のレビューをさらに深めてやっていく必要がある」

「組織風土の改革に加えて、人事制度の課題と会計のプロセスの問題、この3つを大きな原因と捉え、その背景を徹底的に潰していく」

――組織風土のどのようなところに問題があるのでしょうか。

「現在認識しているのは、短期的な収益を重視しすぎる傾向があることだ。短期の利益を追求するがゆえの弊害は事例をみても明らかだ。短期志向過ぎるところは抜本的に改めたいポイントだ」

「ニデックには『すぐやる、必ずやる、出来るまでやる』という精神があるが、そこに加えて『必ず正しくやる』という新たな風土、企業倫理を付加していくことが重要だ。正しくやることでスピードが落ちたり、成長性が欠落したりはしない。事業プロセスのやり直しを逃げずにブレずにやっていく」

――今回の問題を巡っての経営責任についてどう考えていますか。

「あらゆる意味での責任を取っていく覚悟でいる。グローバルに輝ける、より良い企業に再生していくことが私の果たすべき最大のミッションだ。それ以外の経営責任については、第三者委による調査の結果を待って、適時適切な判断をしていく」

――永守重信代表取締役グローバルグループ代表とはどのような話をしていますか。

「永守には執行側の考えなどについては今日までオープンに共有している。このような事態になっていることを全ての経営陣が重く捉えており、この状況から本質的に脱却するための方策を考えて私自身も進めている。現状の運営については永守から賛同されているものと認識している」

――第三者委からの調査報告書の提出時期はいつごろを見込んでいますか。

「第三者委の今後の調査のスケジュールについては明らかになっていない。少なくとも年内に最終報告をいただける状況にはないと聞いている。今後何か進展があった段階で適切に開示していく」

――第三者委の調査が入ることで日常の業務への支障はないのでしょうか。

「第三者委が立ち上がり、日本取引所グループから特別注意銘柄に指定されたという事実に基づき、いくつかのお客様からは懸念を表明いただいている。我々経営陣は全世界の従業員に調査の進捗状況などの情報を共有し、お客様に一つずつ丁寧に説明をしている」

――これまでM&A(合併・買収)を積極的に実施してきました。今回の問題による影響は。

「我々の状況として、M&Aを通じて事業領域を拡大している場合ではないと判断している。株主への配当をストップしている状況下において企業の買収に資金を使うのは控えるべきだと考え、交渉も含めて停止している。まずは配当が再開でき、まっとうな事業運営ができるような状況にするために集中すべきだ」

――2027年度までの中期経営計画に変更はありますか。

「計画で掲げた数字については見直す。昨今起きていることを踏まえてどのような数字になるのか策定している。事業所や工場の統廃合を進めるという方向に変わりはない」

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