「キャラ濃い」立憲二世議員(56) 国会を騒然とさせた“ドタバタ質疑”にSNS爆笑、鈴木農相も笑顔でツッコミ答弁の「珍事」
(写真:時事通信)
11月12日に国会で開かれた参議院予算委員会。午前の部で質疑のトップバッターを務めたのは立憲民主党・田名部匡代参院議員(56)だったが、委員会室を爆笑に包んだ“珍事”が注目を集めた。
質疑の冒頭で、高市早苗首相(64)に「まずは改めて総理ご就任、誠におめでとうございます。心からお祝いを申し上げます」と祝意を伝えた田名部氏。「課題山積でありますので、この国会の質疑を通して、課題を共有できて、その課題解決に1歩でも2歩でもともに前進させられたらいいなと、そう思っております」とし、「今日はたくさん質問用意させていただきましたので、早速質問に入らせていただきたいと思います」と意気込んだ。
クマ被害対策や労働法制、過労死問題、物価高対策など次々に質疑を進めるなか、終盤では介護問題が議題に。田名部氏は自身の介護経験を織り交ぜながら、「色んな皆さんに支えられて、なんとか仕事とも両立をさせていただいた。そういう意味では総理と共有できる思いもあるのかなということで、ぜひ今日はこのことに前向きに答弁いただきたい」と高市氏に呼びかけた。
地方と都市部で離れて暮らす家族に対する遠距離介護の支援が薄いことなども訴え、高市氏からは「できるだけ横展開できるような環境、整備というものもこれから検討していきたい」との回答を得た。
田名部氏は、高市氏が答弁のなかで介護経験を明かしたことに触れ、「(高市氏が)仕事を辞めるかどうか色々悩まれたって思いには、通じるものがあるなと思っていました」とコメント。その上で、「世の中たくさんの人たちがそういう苦しい思いをしながら、それでも『親の最期を』ということで、一生懸命されている方が多いと思います。どうか支援はぜひ、前向きに検討していただきたいと思います」と熱弁していた。
するとここで、間髪入れずに「時間がなくなりました。私がここに立ってコメ問題をやらないなんていうのは、ちょっとあり得ない。ちょっともう1個いきますね」とテーマを切り替えた田名部氏。「じゃあ、ちょっと最後。アメリカから大豆、トウモロコシ、86億ドル追加輸入しますよね?大体……」と手振りを交えて早口で語ると、ヤジに気づいたようでピタリと静止。そして、周囲を見渡しながらこう述べたのだ。
「あら~!すいません。いや、ちょっと、終わります」
“やっちゃった”と言わんばかりにはにかんだ表情を見せ、質疑を切り上げることに。まるでコントのような雰囲気に委員会室は笑い声に包まれ、田名部氏の斜め後ろに座っていた国民民主党・牛田茉友参院議員(40)も口に手を当てながら表情を崩していた。
そんな田名部氏だが、そのまま引き下がることはなかった。
「終わりますが、日本の食料安全保障っていうのは、やっぱり輸入を国産に置き換える!これが基本ですからね」と力説し、「ぜひ、その基本を忘れないでただきたい。答弁いいですか?答弁いただきます」と促した。
委員会室がザワザワするなか、名前を呼ばれたのは鈴木憲和農相(43)。しかしここでも、委員長が「かずのり」と名前を読み間違えるハプニングが。
答弁台に立った鈴木氏も、笑いながら「あの、ちょっと質問が明確にあれなんですけども」とツッコミ。その上で、「基本的には我々国産で、しっかりと賄えるものは賄っていくというのが基本かと思いますので。総理からもすべての田畑をフル活用することをご指示いただいてますから、その方向でしっかり頑張りたいと思います」と頭を下げていた。
90年代に宮澤内閣で農相を務め、今年3月に他界した元国会議員の田名部匡省さん(享年90)を父に持つ田名部氏。自身も農林水産大臣政務官を務めた経験があり、熱い思いがあふれたのだろうか。コメ問題の質疑はアバウトになってしまったが、委員会室の空気を和らげたことはXでも注目の的に。国会中継の一部を切り取った動画が拡散し、田名部氏にさまざまな反応が寄せられている。
《阿佐ヶ谷姉妹か? 声出して笑ってしまった》 《牛田さんも流石にわろてますやん》 《キャラ濃いっすね笑 言ってることはまともなんだけどさ笑》
《グダグダだけど、言いたいことはちゃんと伝わってくるし、日本のことしっかり考えてる人なんだろうからこの人はとても好感が持てる》(すべて原文ママ)
「もともと田名部氏は“天然キャラ”で知られており、今年7月の参院選ではテレビの密着取材に“候補者なのに自分の事務所の選挙カーに置き去りにされた”と面白エピソードを語ったことも。
12日の予算委では、田名部氏の次に蓮舫参院議員(57)の質疑が行われました。蓮舫氏は舌鋒鋭く与党を追及していましたが、『地方支部とはなんですか!』と聞くまでもない質問や数字の誤りなど“ツメの甘さ”が目立ちました。
いっぽうの田名部氏は声を荒げることなく理路整然と質問を続け、高市氏に歩み寄る姿勢も見てとれました。追及する姿勢が“噛みついてるよう”と指摘されてきた蓮舫氏と比べる声もあり、今後、さらに田名部氏への期待が増すかもしれません」(政治ジャーナリスト)