【独自】氷河崩壊の瞬間映像入手 ネパール土石流発生の要因は?「永久凍土」融解か

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ネパールと中国の国境地帯で起きた土石流。今も約5000人が行方不明となっています。番組が独自に入手した、氷河が崩壊した瞬間とみられる映像。土石流によって大量の “土けむり”が発生していて、雲の間から立ち上っているのが確認できます。氷河が崩れ落ち、斜面を下る様子が捉えられていました。

氷河崩壊 カメラ捉えた“発生瞬間”

この日、CNNのカメラが中国側から土石流の被害を受けた国境検問所に向かいました。 いたるところで行われている復旧工事。中国側でも43人の死亡が確認され、519人が行方不明になっています。

泥に埋まっているのは、4階建て住宅の4階部分。

わずかな空間で生きていたのは…64歳の女性です。

きのう、水力発電所のトンネルからも49歳の中国人作業員1人が救出されました。

Q:「今はどんな気分ですか?」 陸 海涛さん(49) 「少し良くなったがめまいがと頭が重い感じがします」
ネパール軍 医療局長 「トンネルの上部に、掴まっていられるものを何とか見つけられた。それが良かった」
CNN モンゴメリー花子 特派員 「現在、私たちはトリシュリ3A(発電所)のトンネルに向かっています。当局はこの内部に生存者がいると信じています」

土石流の発生直後から現地で取材を続けるのは、番組のコメンテーターを務めるCNNのモンゴメリー花子さん。

なぜ、これほど大規模な土石流が発生したのか?徐々にそのメカニズムが見えてきました。

これは、番組が入手した氷河が崩壊し、土石流が発生した瞬間とみられる映像です。上に見えるのが氷河…その下で土石流が発生しています。この映像を中国側から撮影した観光客は当時「轟音を聞いた」といいますが、土石流の発生だとは思わなかったといいます。

崩落が起きたのは、エベレストを遠くに臨むヒマラヤ山脈のランタン・リルン山(7234m)。標高5200m付近の北側の斜面です。

2日後の映像では、山肌がむき出しに…イギリスの研究者の試算では、崩落した物体の8割は“岩盤”で、一辺が1kmある30階から40階建てのビルに相当する体積だといいます。

マンチェスター・メトロポリタン大学 トム・クルタード教授 「岩も氷もすぐ細かく砕け、空気を巻き込んでまるで液体のように移動したと思われます」

先月26日の午前8時37分ごろ、氷河を含む岩盤が崩れ落ち、約8分で中国の国境検問所に到達しました。土石流のスピードは時速167km。水位は100m以上も上昇していたといいます。

クルタード教授の分析によると、この段階の土石流は岩と氷の破片がメインで水はあまり含まれていませんでした。

下流に進むにしたがって、川の水をまきこんでいったとみられています。その後、土石流が流れ込んだのは、作業員2人が救出された、トリシュリ3A水力発電所です。

トンネル内に、さらなる生存者がいる模様です。

CNN モンゴメリー花子 特派員 「このロープの先には、トンネル内に閉じ込められていた人がいます。生存の兆候が見られています。声も聞こえているそうです」

そして土石流の影響は100km以上先の下流部にまで…

CNN モンゴメリー花子 特派員 「警察は、ヒマラヤから川に流されてきた何百もの遺体を発見しました。さらに回収が必要な遺体がないか、これから確認しに行きます」

ネパール国内ではこれまでに1341人が死亡し、5000人近くが行方不明になっています。

これだけの被害を生んだ、氷河の崩壊はなぜ起きたのか?専門家が指摘するのは、「山体隆起」と「気候変動」です。

「永久凍土」融解か温暖化に警鐘

なぜ、氷河は崩壊したのか? オックスフォード大学のマイク・サール教授が指摘する1つ目の原因は「山体の隆起」です。

英 オックスフォード大学 マイク・サール教授 「ヒマラヤ山脈の山々は年に2〜4cmも急速に上昇しています。山が急速に隆起する一方、川は削られているため、斜面が急勾配になっています。ヒマラヤ山脈の氷河崩壊の多くはこれが原因です」

もうひとつが「気候変動」。

英 オックスフォード大学 マイク・サール教授 「ヒマラヤのあらゆる場所で気温が上昇していることがわかっています。岩と岩をつなぎとめているのは永久凍土、つまり氷です。これが溶けると接着剤が無くなるのと同じです」

被害が大きいヌワコット郡出身の氷河研究者は、気候変動対策の必要性を強調します。

ネパール・トリブバン大学 氷河研究者アラビンダさん(35) 「今回の出来事は気候変動が引き金となって下流まで大きな被害をもたらした災害だと考えています。特に(二酸化炭素の)排出量の多い大国は、開発途上国がこうした災害から身を守るためにどのような支援ができるか考えてほしい。これはネパールだけではなく世界の問題です」

9月6日『有働Times』より

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